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NBAオールスター 最強ダンクコンテストダンカーランキング Vo.2

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どうも。先日はNBAオールスターが実施され、無事に1日で全てのイベントが行われた。シクサーズのジョエル・エンビードと、ベン・シモンズの散髪係がコロナにかかったということで、2人が濃厚接触者となり、オールスター当日に参加不可となったが、不幸中の幸いで直前に確認が取れた為、大きな問題とはならなかった。

 

実際の試合は、みんなケガしないようにプレーしている感が強く、各クオーターで大差がついてしまい、最後はガチな試合が見られた2020年のオールスターと比べたらレベルは下がっていた。また、ケガしないようにしているからか、オールスター特有の激しいダンクなども全然見られず、とりあえず3ポイントを打ちまくる試合ではあった。ただそんな中で、ステファン・カリーとデイミアン・リラードの半端じゃないシュート力はentertainingだったし、イヤニスが3ポイント含めて16/16のという100%のFGを記録したのは単純に楽しかったので、個人的な総合評価はB-といったところである。

 

その他のイベントを1つずつ見ていくと、まずスキルチャレンジはもうやめた方がいいんじゃないかと思ってしまう。スキルチャレンジが最初に登場した時は、3つ違うタイプのパスを決めなければいけなかったし、それぞれのパスの難易度も高かったし。また数年前からドリブルのジクザクとパスがそれぞれ1回だけになり、ガードが中心のイベントだったところ、ビッグマンも参加するようになったことで、難易度が一気に簡単になり正直盛り上がるに欠けるイベントになってしまった。実際今回の決勝はドマンタス・サボニスとニコラ・ブーチェビッチの2人のビッグマンの対決で全く面白いとは言えなかった。そもそものイベント内容を変えるか、より盛り上がるように今後の改善を期待したい!

 

今回の一番盛り上がったイベントは3ポイントコンテストであったが、これはここ数年のトレンドになっている。スターが参加しないダンクコンテストに変わり、このイベントは人気選手がこぞって参加しているのが大きい。今年もステファン・カリーやジェイソン・テイタム、ドノバン・ミッチェルなどが出場し、下馬評通りカリーが優勝をした。ただリザーブでオールスター出場が決まったマイク・コンリーが予選と決勝それぞれで大健闘し、特に決勝ではカリーが最終ボールで逆転して優勝を決めるというドラマチックな展開だった。NBAのゲームがどんどんと3ポイント中心となっていく中で、3ポイントコンテストは今後も最も成功率の高いイベントの地位を維持するだろう。

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一方、ヒットとミスの差が激しいダンクコンテストはここ最近のと比べても物足りなさが残った。そもそも出場選手が全国的に大分無名だったのもあるし、オールスターゲームのハーフタイム中にやるということで、時間も短く3選手しか出場しなかったのも原因の1つではあるだろう。ダンクコンテストの問題としてずっと言われている事だが、3ポイントコンテストと正反対でスター選手の参加がないことが人気を下げてしまっている。(史上最高ダンカーの一人のレブロンが一度も参加しなかったのは本当に悲しい限りである) ダンクのレベルも決してレベルが全然低いというわけではなく、3人とも1つ驚くダンクを見せたが、総合的に見て、じゃあダンクコンテスト史上で記憶に残るダンクはあったかというわけではなかった。

 

つまらないダンクコンテストの話を永遠としてもしょうがないので、本題であるNBAダンクコンテスト史上最強ダンカーのTop5-Top1を発表したい。私自身の独断で決めていることはご了承頂きたいが、1984年以降全てのダンクコンテストを見てきた中で決めていることは強調したい。ランキングのTop10-Top6は下記の記事からどうぞ。

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No.5 アーロン・ゴードン

優勝経験がない中で唯一ランクインとなったのがコンテスト史上最も運の悪いゴードンである。これまでに3回出場し、そのうち2016年と2020年の2回は優勝すべきでRobbed (優勝を盗まれた)と現地NBAメディアでも大きな議論となった。それぞれの年のダンクコンテストの内容がアップされたYouTube動画でDislikesボタンが凄く多くなっているのが、どれだけ視聴者が審査結果に不満を持っていたかを表している。また、2回とも決勝2ダンクで決着がつかず、延長戦までいった末での敗北ということで印象度が更に高まった。

 

解説者のケニー・スミスがゴードンはダンクコンテスト史上最もクリエイティブと評していたが、まさにその通りでゴードンは誰もが見たことないダンクを何個も繰り出している。2016年のコンテストでは、ホバーボードに乗ったマスコットを使い、マスコットを飛び越えてレッグスルーをしたり、360度をしたり、ボールを持ったマスコットを飛び越えながら足の下で持ち手を入れかえるという難易度MAXのダンクを決めた。これらすべて史上最高級のダンクであり、オリジナリティが凄い高かった。対戦相手のザック・ラビーンも素晴らしかったが、少なくとも2人も同時優勝となるべきだっと思う。

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リベンジを期した2020年もバックボードの横にボールをあてて、片手でボールを掴みながら360度を繰り出すという、これまたダンクコンテストベストの1つである技を繰り出したり、2m26センチの巨体のタコ・フォールを飛び越えたりとパフォーマンス度もまたMAXなのだが、今度はレッグスルー大魔王のデリック・ジョーンズ(今回10位に入っているが)に敗れ、結局またRobbedされてしまい、今後のダンクコンテストには参加しないと表明した。私的に2020年は確実に優勝すべきだったと思っているし、チャンピョン経験がないことでここでは5位となったが、記憶に残るという意味では他の誰にも負けていない。

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No.4 ザック・ラビーン

No.5のゴードンから2016年に優勝をかっさらった?のはザック・ラビーンである。ラビーンは2015年にも優勝しており、2連覇を果たしたわけだが、2回ともダンクの質は圧倒的であった。ラビーンはゴードン程のクリエイティビティはないかもしれないが、単純にダンクのレベルが高すぎる。彼はジョーダンのような滞空時間の長さとボディーコントロールの美しさが特徴的であり、そこからビハインドバックやレッグスルーを軽々と決めることができ、スムーズという言葉がふさわしい。

 

2015年にベースラインからのバウンス・レッグスルー、その次にバウンス・ビハインドザバックというどちらも完成度が超高い衝撃的なデビューを果たし、決勝ではちょっと手抜いたぐらいでまたまたレベル高いレッグスルー2つを違う形から決め優勝した。

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2016年もゴードンが負けたことで悪者になったが、2015年のベースラインレッグスルーをビハインドバックに変えて反転しながらのダンクや、決勝の延長戦で披露したフリースローからのレッグスルーとウィンドミルはむちゃくちゃ難易度が高く、NBA史上でも遂行できる選手はごくわずかであろう。しかも本当にほぼフリースロー地点からテイクオフしているのだがびっくりである。個人的好みでTop3は逃したが、ラビーンダンクコンテストへの功績は大きく、2016年のゴードンとの対決は史上最高のバトルとして語り継がれていくはずである。

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No.3 ドミニク・ウィルキンス

ダンクコンテストへの功績という点ではドミニク・ウィルキンスの貢献度が歴史上一番であろう。ヒューマン・ハイライトフィルムの異名をとるウィルキンスのダンクへの拘りは半端なく、スター選手でありながら、コンテストに5回に出場し、そのうち2回優勝している。ドミニクはこのランキングの中でも最強のパワーダンカーであり、必ず両足ジャンプをして、ものすごいスピードでリムまで到達する。5回も出場しているかつ昔は3ラウンドまであったので、毎回ダンクは正直結構似ているものが多いのだが、それでもそれぞれの迫力が桁違いである。彼の代名詞である片手、両手両方のウィンドミルのパワーと完成度は未だに誰にも負けていないと思う。

 

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ドミニクの登場以降、ダンクのレベルが上がっていったので、今見るとクリエイティビティの面で劣る部分はあるが、それでも彼がダンクコンテストの人気を高めたかつジョーダンよりダンクのレベルは上であることに敬意を払い第3位とした。

 

1988年のジョーダンとの決勝での対決は後世に語り継がれており、シカゴで行われたオールスターだったこともあってかジョーダンが贔屓された感がありドミニクに逆転して優勝したが、ジョーダンは予選でも見せたフリースローダンクで高得点を出しており、確実にドミニクが勝つべきだったと思っている。特に決勝1発目のバックボードからのワンハンドダンクのスローモーションでの美しさは史上トップクラスである。

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No.2 ジェイソン・リチャードソン

リチャードソンが第2となったのは完全に自分の好みであり、多くの人は彼をここまで上のランクにはしないだろう。ただ自分がまだ学生時代に見たJリッチのダンクは衝撃的で、個人的には歴代No.1ダンカーの一人なのである。彼はドミニクと同じように圧倒的なダンクのスピードと威力があるという点でドミニクの後継者と言えるかもしれない。(私が2本足ダンカーが好きなのがここでばれる、、、) 彼のウィンドミルと360はドミニク以上じゃないかとも思う時もあるし、レッグスルーや、ロブパスからも様々なダンクを決められる点でドミニクに勝っている。

 

更にクリエイティビティも非常に高く、2004年に披露したバックボードパスからのレッグスルーをコンテスト史上最初に決めたのはリチャードソンである。(この年は決勝でいいダンクを決められず、優勝を逃してしまったのだが、、、)

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個人的にコンテスト史上最高のダンクだと思っているのが2連覇をかけた2003年の決勝2本目のダンクである。チャレンジャーのデズモンド・メイソンに勝つには49点必要だった中で、ベースラインからバウンスパスをキャッチして、通常と反対にレッグスルーしながらリバースで、更に左手でダンクを決めたのである。このダンクは今でも誰にも真似されたことがなく、難易度、当時のクリエイティビティ、後が引けない状況でのクラッチ力という点で全てが10点満点のダンクである。

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何故か、コンテスト史上忘れられがちなJリッチのすごさを微力ながら今後も伝えていきたいと思う。

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No.1 ビンス・カーター

個人的に一押しのリチャードソンを破ってNo.1となったのは泣く子も黙る史上最強ダンカーのビンスである。彼は一度しかコンテストに出ていないが、そのインパクトとスターパワー、中止にすらなっていたダンクコンテストを救ったという点を考慮して一番となった。技術的にビンスの凄い所は滞空時間、スピード、パワーすべてを兼ね備えているところである。ダンクに必要な要素を全て備えた上にカリスマ性とクリエイティビティを持ち合わせているのは後にも先にも彼ぐらいかもしれない。

 

彼が出場した2000年のコンテストが最高のパフォーマンスとして20年経った今でも語り継がれているのは、この大会自体はNBAの歴史の中でも非常に重要な役割を果たしているからである。ダンクコンテスト1984年からNBAで開始し、オールスターのメインイベントの1つとなっていたが、97年にコービーが優勝した時は、各出場者によるクリエイティビティが無くなってきており、過去のコンテストと同じようなダンクが繰り返され、80年代のジョーダンやドミニクのようなスター選手の出場も少なくなっていた。それによって人気も下降線を辿り98年のオールスターではダンクコンテストがなくなるまでになった。98年にリーグに入ったビンスはルーキーから強烈なダンクを試合で見せ、2年目には既に人気選手となっていた中、2000年のオールスターではダンクコンテストが復活することが決まり、ビンスも出場することにした為、開催前から大きな話題となっていたのである。そしてファンや関係者からダンクコンテストの復活への大きな期待がかかった大会で、彼は圧倒的なパフォーマンスを披露し、観客の度肝を抜いたのである。

 

一本目の通常と反対方向に回転しながらの360度ウィンドミルは当時誰も見たことがなく、最初から観客やシャック含めたスター選手を大いにどよめかせた。また、3本目のバウンスパスからのレッグスルーもきれいすぎて、ケニー・スミスが"It's Over!!"と明言を叫んだのは有名である。そして決勝一本目はリングに腕を突っ込むという、これも誰も見たことがないダンクで、会場がどよめきというより驚いて静まり返ってしまうほどだった。最近はダンクのレベルも高くなり、単純な難易度でいえばビンスの披露したダンク以上のものはあるとは思うが、歴史的なインパクトを考えた際に、彼の歴代トップダンカーの座は不動である。

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NBAオールスター 最強ダンクコンテストダンカーランキング Vo.1

どうも。NBAオールスターの開幕となり、今年はコロナの影響もありいつもと違うフォーマットで実施することになった。オールスター開催可否のごたごたについては前回の記事の前半にまとめたのでご参照頂きたい。

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通常3日かけたイベントになるオールスターだが、今年はコロナによって1日に全てをまとめ、ダンクコンテストや3ポイントコンテスト、スキルチャレンジを試合のハーフタイムにやることになった。(セレブリティオールスターなどは中止) 

 

ダンクコンテストの出場者は、アンファニー・サイモン、オビー・トッピン、カシウス・スタンリーとかなり地味な顔ぶれになっており、どこまで盛り上がるかが微妙なところではあるが、今回の記事ではそんなダンクコンテストの歴史上で最も凄かったダンカーをランキング形式で勝手に紹介したい。

 

ちなみに、過去にNBA最強インゲームダンカー (通常の試合中のダンク)にフォーカスして3つの記事に分けて書いたのでついでにご覧頂きたい。

NBA最強インゲームダンカーランキング TOP15 <5位~1位> - ディープなNBAトーク+アメリカ文化

NBA最強インゲームダンカーランキング TOP15 <10位~6位> - ディープなNBAトーク+アメリカ文化

NBA最強インゲームダンカーランキング TOP15 <15位~11位> - ディープなNBAトーク+アメリカ文化

 

No.10 デリック・ジョーンズJR

ますは、昨年のダンクコンテストの優勝者のジョーンズJRが10位にランクイン。アーロン・ゴードンとのダンクバトルで延長戦の末ジョーンズが勝利した昨年のダンクコンテストの結果は大きな波紋を呼び、当時ヒートだったジョーンズを勝たせるために、最後は審査員のドウェイン・ウェイドはゴードンの点数を下げたと言われいたぐらいである。(実際にその可能性もあるのだが) 個人的にも総合的なパフォーマンスでゴードンが勝つべきだったとは思うが、ジョーンズのダンクが凄くなかったわけではない。

 

滞空時間が異常なほど長いことから、「エアプレインモード」というあだ名がつくジョーンズは試合中のダンクもあっと言わせるが、ダンクコンテストでもその滞空時間と力強さでトップダンカーの一人たる所以を見せた。レッグスルーが得意なのか、トライしたダンクの半分以上がレッグスルーであり、クリエイティビティがもうちょい欲しい所だが、それぞれの難易度はMAXだった。レッグスルーからのパワーはまさにダンクという決め方をしており、歴史的に見てもトップクラスであると言える。特に2本目と4本目の難しさは非常に高いので見物。

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No.9 スパッド・ウェブ

スモールダンカーのパイオニアと言えば、スパッド・ウェブであろう。身長170センチという日本の平均男性の身長以下でNBAでプレーしていたこと自体がすごいのだが (しかも10年間!)、その身長でダンクコンテストになったことでNBAの歴史上でも最も有名な選手の一人となった。しかもチームメイトかつダンクチャンピョンのドミニク・ウィルキンス相手に勝ったのだからすごい。

 

一つ一つのダンクだけ見たら、他の出場者が割と普通にできる内容ではあるが、当たり前だがそれを170センチでやるから信じられないのである。また、現在よりもスポーツ医学や知識が発達しきっておらず、リーグ全体でも今より身体能力が低かった1986年にウェブが現れたのはまさに奇跡に近い。その身長でアリウープからのダンクや、ダブルパンプ、360 (正確には270ぐらいだが)ダンクをアメリカ中に見せつけた最初の選手であり、その功績だけで後世に語り継がれるべき存在である。

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No.8 ネイト・ロビンソン

170センチのスパッド・ウェブが低身長選手のパイオアニアとなったのであれば、ネイト・ロビンソンはダンクコンテストレジェンドであると言えるかもしれない。彼はコンテスト史上唯一3回優勝している選手で、それだけ見たら1位になるべきなのかもだが、彼の優勝には少なくとも3回のうち2回はクエスチョンマークがつくため(特に2006年のアンドレ・イグダラとの勝負はRobberyと言われた)、今回は8位に留まった。

 

彼も175センチと普通に街を歩いていそうな身長だが、ウェブより更にジャンプ力を高くして、ダンクの難易度も上げた感じである。ウェブはできなかった、ウィンドミルやレッグスルーも軽々とすることができるのが彼の特徴である。 (もう一度言うが175センチで!) 身長が低いことで難易度が高いダンクを何回も失敗して時間がかかる傾向もあるが、ダンクの実力は確かである。特に2006年にバウンスパスからウェブを綺麗に飛び越えたダンクは、その完成度から歴史上でもトップクラスのダンクである。

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No.7 ドワイト・ハワード

2人連続スモールダンカーだったが、今度は一気に身長が高くなり、ダンクコンテストチャンピョン史上最も高身長のドワイトを入れたい。3回出場した後1回だけの優勝だったが、毎回度肝を抜くパフォーマンスを披露した。センターの中では2メートル8センチと若干身長が低いが、その分身体能力は過去最高クラスであり、とにかくジャンプ力がすごい。

 

そのジャンプ力をまざまざと見せつけたのが2007年のスティッカーダンクで、左手にスティッカーを持ちながらダンクをし、そのスティッカーでバックボードのかなり上に張りつけるという後から見たらすごいけどリアルタイムで分かりづらいダンクをしたりした。また優勝した2008年のスーパーマンダンクはダンクというより、ボールを放り投げてはいるが、圧倒的なジャンプ力と滞空時間がより顕著に表れており、会場中がどよめいたダンクである。また、その後には、バウンスさせたボールを左手でバックボードに一回当ててからダンクするというこれまで一度も試されなかったダンクを繰り出し、クリエイティビティも見せつけた。(このダンクはあんまり人々の印象に残っていないようだが、難しさはスーパーマンダンクより断然高い)

マジックを離れた後はチームを転々とし、あまり評判もよくなかったハワードだが、彼のダンカーとしての実力は確かであり、彼のダンクコンテストがこれからも評価されることを願いたい。

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No.6 マイケル・ジョーダン

このチョイスはおそらく多くの人に好まれないであろう。ジョーダンのダンクコンテストでの偉業とパフォーマンスはジョーダンのGOATステータスにおいて大きなファクターとなっており、ダンクコンテストの歴史でジョーダンを語らないことはない。が、改めて振り返った時に彼のダンクがスキルとクリエイティビティの点で、Top5に入るものだったかというと、そうではないのではないかというのが個人的な意見である。

 

もちろんジョーダンが出場していた時代は30年以上前かつコンテストが始まった直後という点から、スター選手の彼が盛り上げたのは大きな意義がある。更にジョーダンの圧倒的な滞空時間はスローモーションで見た場合の優雅が際立っており、特に有名なKiss the rimダンクの動きは美しいの一言である。

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Kiss the rimの滞空時間はすごい

彼の空中での足の動きやボディーコントロールは歴代でもトップクラスであることは間違いなく、そこは大いに評価に値すると思っている。然し、彼の有名なフリースローダンクも現在ではウィンドミルやレッグスルーまでできる選手が多く出てきており、そのすごさに少し陰りが出てしまったかなという気はする。また3回コンテストでた中で似たようなダンクがいつも入っているという観点からも、今回は6位に留まった。皆さんはどう思われるだろうか?

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Top5からはまたオールスター後に、次の記事で発表する!

2021NBAオールスター 初出場選手に注目!!

どうも。早いものでNBAのシーズンも半分近くが終了し、来週末にはオールスターとなる。今年はコロナの関係でオールスターは実施しないというのがシーズン開始時の予想で、12月~5月という通常より短いレギュラーシーズンのスケジュールの中 (普段は10月~4月)、オールスターブレイクは1週間の単純な休みとなる予定だった。選手達もそのつもりでいたようで、特に昨シーズン10月までNBAファイナルにいたレイカーズやヒート、その他プレイオフまで残っていたチームには、オフシーズンが短かった分シーズン中の休みが必要と思われた。

 

然し、やっぱりお金が必要になったのだろう。NBAはオールスターを数週間前に開催すると発表した。しかもコロナの制限が全米一緩いと言われているアトランタということで波紋を呼んだ。(アトランタNBA選手が大好きな都市の1つで、黒人に人気のクラブや、バー、ストリップクラブが盛んである) このオールスター開催はプレイヤーの中でも反対の声が多くあがり、キングスのディアロン・フォックスは今年オールスターをやることはあほらしいと ("I think it is stupid")と答え、NBA界のドンであるレブロンも否定的な意見を示した。

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圧倒的な発言権を持つレブロンが反対の意思を見せたことで、やっぱり今年はなしかなという流れもあったのだが、コロナで多くの損失があるNBAにとっては、放送権やグッズ料金が大きいオールスターを何が何でも開催する必要があり、その後はこれといった動きはなく、一大事が起こらない限りこのまま3/8に実施となりそうである。NBAも結局は企業であり、何事の決断もお金が一番大事なのである。

 

オールスターのスターターとヘッドコーチ投票によるベンチも決まったので、改めてリストを確認しよう。

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<イースト>

ケビン・デゥラント (怪我で不出場)、イヤニス・アンテトクンポ、ジョエル・エンビード、カイリー・アービング、ブラッドリー・ビール

 

ジェームス・ハーデン、ベン・シモンズ、ニコラ・ブーチェビッチ、ジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウン、ザック・ラビーン、ジュリアス・ランドル、ドマンタス・サボニス (KDの代わりに選出)

 

<ウエスト>

レブロン・ジェームズ、ニコラ・ヨキッチ、クワイ・レナード、ステファン・カリー、ルーカ・ドンチッチ

 

デイミアン・リラード、ポール・ジョージ、アンソニーデイビス (怪我で不出場)、クリス・ポール、デビン・ブッカー (ADの代わりに出場)、ドノバン・ミッチェル、ルディ・ゴベア、ザイオン・ウィリアムソン

 

エストのスターターがリラードじゃなくて、ルーカだったことで議論が起こったり、ブッカーがもともと選ばれなかったこともレブロンを中心に批判が見られたが 、

 まあ妥当な選手が選ばたかなという感じである。レブロンを筆頭に何回も選ばれている選手も多いが、今回は今年初出場となった4人のプレイヤー(上記太字)にフォーカスして、何故彼らが今年選ばれたのかまとめていきたい。

 

1. ザイオン・ウィリアムソン

ザイオンは今年でまだ2年目だが、現在リーグで最も名前の知られている選手の一人だろう。高校時代のMix TapeがSNSですごい話題を呼び、1年だけいたデゥーク大学でも大活躍をし、バスケ好きなら誰でも知っているプレイヤーとなった。ドラフト1位でペリカンズに入団したが、Hypeが強すぎて、それまでアンソニーデイビスがいても全然注目されなかったペリカンズの全米中継がむちゃくちゃ多くなったぐらいである。(しかもザイオンはケガでシーズン前半欠場した為、ザイオン抜きの退屈なペリカンズの試合が一杯放送されたのだが、、、)

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なんでザイオンがこんなに話題を集めているかというと、ハイライトを見れば一瞬で分かるが、201センチ、130KGという太っちょのような体格をして、リングを飛び越えるようなジャンプ力がある人は世の中に存在しないからである。唯一の比較対象としては、チャールズ・バークレーかもしれないが、バークレー以上にパワフルで運動神経が高い。(ザイオンを細くして身長を高くするとイヤニスになるかも) 彼は目の前にディフェンダーがいようとお構いなく尋常じゃないパワーで突進するか、ジャンプで相手をかわすことができる。今のところジャンプショットは脅威ではないし、ショットはほぼ全て利き手の左手ですることが分かっているのに、ディフェンダーは彼を止めることができない。攻撃のレパートリーが少ない中、平均25点、FG60%以上を記録しているのは、シャックを彷彿とさせる。

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それでいてザイオンはドリブルもガード並みに上手く、パスも非常にセンスがある。彼はデゥークの時からアンセルフィッシュな選手で、ディフェンスの動きを読むのがうまい。今シーズン当初はまだポストアップや3ポイントラインからの動きが多かったが、彼のプレイメイクの才能を使わない訳にはいかなくなったのか、最近ポイントガードのように起用されることが増え、これがザイオンのスタッツを更に伸ばし、オールスター選手に押し上げた。ザイオンがボールハンドラーでピックをもらった時点で、ヘッドスタートでペイントに向かったらディフェンダーにとってはゲームオーバーであり、仮にダブルチームしたとしてもパスをしっかりと決めることができるのだから相手はお手上げとなってしまう。

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ザイオン自身のディフェンスもまだまだであり、チームディフェンスもひどいペリカンズはよい成績を残せていないが、オールスターではその鬱憤を晴らすような豪快なダンクを繰り広げてほしい。欲を言えばダンクコンテストにも出場して更に盛り上げてほしいものだ。

 

2. ザック・ラビーン

ダンクコンテスト2回チャンピョンになったザック・ラビーンも今年初めてオールスターに選出された。(彼のダンクコンテストのクオリティの高さは歴代最高級である)

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ティンバーウルブズにドラフトで選ばれ、今年で7年目のラビーンは、ルーキーからオフェンスのポテンシャルは見せていた。彼のショットメイキング能力は目を見張るものがあり、難しい状態からのフェイダウェイを決めたり、ドライブでバスケットまでいくスピードはリーグでもトップクラスであった。然し、デシジョンメイキングやプレイメイク、そしてディフェンスには大きな疑問があり、NBAアナリストの中での評価は非常に低かった。

 

シカゴ・ブルズに移籍してからは、更にオフェンス能力を高め平均25点前後の得点を記録するようになったが、引き続き所属チームの成績は悪く、プレイメイク、ディフェンスも平均以下であった。ところが今年は、ブルズはそこそこ健闘しており、彼の課題であったチームメイトのセットアップ、ディフェンスも向上してきており、更にオフェンス力が尋常じゃなくなってきている。現在平均29点、FG:52%、3PT: 44%というガードとしては高すぎる確率でシュートを決めまくっている。他に安定したスコアラーがいないブルズで単純なオープンショットを打っているわけではない中で、この数字を叩き出すのは普通に尊敬である。彼のステップバック3ポイントと変わらないドライブへの爆発力はオールスターでも見ものである。

 

他のトップスコアラーとマッチアップしても、勝負がかかった場面で全く引けを取らず、チームのNo.1オプションとして引っ張れることを証明しているラビーンが今後何回オールスターに選べられるプレイヤーとなるか楽しみである。

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3. ジュリアス・ランドル

ビーンと同じく今年7年目のランドルも初出場の栄誉を得た。面白いことにランドルはザイオンのように必ず利き手の左手でフィニッシュし、ラビーンのようにディフェンスと判断力が批判されてきた。入団したレイカーズの1年目はケガで棒に振ったランドルは、2年目から台頭を表し、5年目に移籍したペリカンズでは平均20点以上の数字を残し、昨年もニックスで同等の成績を収めた。

 

ただ彼もいつも弱小チームに在籍しており、決してチーム成績を向上させるプレーをしていたわけではない。彼のプレイスタイルはブラックホールとも呼ばれ、一度ボールを持ったらパスを返さない、トップオブザキーの位置でボールをもらったらそのままディフェンスに突っ込んでいくことが多々見られた。ザイオンのような目を見張る身体能力やビジョンがなく、意外と短いウィングスパンもあってか、これはシュートミスか、ターンオーバーにつながっていた。

 

そんなランドルが今年オールスターになれた理由はいくつかあり、まずチームがそこそこ強くなったことが挙げられる。とにかくここ10年ほぼ弱小だったアメリカ一有名なチームのニューヨーク・ニックスが、現在5割の成績を残しているのはメディアの注目を集める。この躍進は今年ヘッドコーチとなたトム・ティボドーの影響があるだろう。セルティックスとブルズでディフェンスマスターとして名を馳せたティボドーはニックスをリーグトップクラスのディフェンシブチームとさせたことがでかい。ディフェンスに課題があったランドルも今年はしっかりと貢献している。また、オフェンスの面では、リーグ一ペースが遅いニックスはランドルの得点力に頼りつつ、彼もアシストが今年一気に増えて、チームをセットアップする能力が高まっている。去年までの平均3アシストから今年5.5アシストとなったことは、オフェンスが如何に彼中心となっているかが表れている。また、3ポイントも今年は決まるようになり、40%以上の確率だから驚きである。今年はあくまでチームオフェンスの流れの中で得点を重ねており、選手として大きく成長したことが伺える。

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2000年に入ってからというものこの20年暗いニュースばかりだったニックスに希望の光を見出しているランドルの活躍に後半戦も注目である。

 

4. ジェイレン・ブラウン

 シーズンが開幕した当初、今年は違うなというが印象が一番大きかったのが、5年目のジェイレン・ブラウンである。ドラフト3位でセルティックスに入団した際は、粗すぎる選手だとセルティックスの指名に多くのアナリストが疑問を投げかけたが、彼はハードワークによって毎年成長し (3年目はドラマクイーンのカイリーによってチームケミストリーと彼の成績が若干低下したが、、、)、今年はとうとう平均25点を超えるスコアラーとなった。

 

もともと高い身体能力を活かしたプレーが得意ではあったが、ハンドリング力とパスが課題であった。それが今ではクロスオーバーからのプルアップジャンプショットがGo toムーブとなっているぐらい成長している。また、ナチュラルなプレイメイク力は正直なく、非常に機械的な動きが多かったが、今年は昨年2.1だった平均アシストが4.0まで伸びているのは着目すべき点だと思う。(ケンバ・ウォーカーやマーカス・スマートが不在で彼がオフェンスを作り出す必要があるのも大きいが) 元から評判の高かった1 on 1のディフェンス (オフボールディフェンスにはまだ向上の余地あり)も健在で、チームメイトのジェイソン・テイタムとともに強力なウィングディフェンスラインを作れている。

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テイタムのような華麗なプレーや目を見張るオフェンス力を持ってないことから、彼の陰に隠れがちではあるが、毎年成長を続けるハードワーカーのジェイレンがこれからもオールスターに選ばれることに疑問の余地はない。そして、入団当初から頭の良さとアクティビズムが際立っていたジェイレンが今後リーグを引っ張る存在となり、リーグ全体を変えていくことを期待したい。(頭の良さと思慮深さはリーグ1ではないか)

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大阪なおみとアメリカでの人気

どうも。大阪なおみが全豪オープンで優勝し、4大大会で通算4勝目と躍進を続けている。もちろん日本人選手として日本で大きく取り上げられるのは当たり前だが、日本人のアスリートの中でアメリカでも頻繁にスポーツトークショーの話題に挙がる希有な存在でもある。私自身が視聴する現地スポーツ番組やニッチなNBAポッドキャストですら彼女の名前がよく出てきており、そのプレゼンスの高さと人気が表れている。また、以前ジョン・マッケンローが大阪なおみはアメリカ人であると勘違いしていたことで話題にもなったぐらいである。そこで今回は、何故大阪なおみがここまでアメリカスポーツ界でも著名になったのかについてフォーカスして考えてみたい。

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1. 英語が喋れること

まあこれは当たり前のことではあるのだが、彼女が英語を喋ることができるのはアメリカのメディアにとっては好都合である。日本人のアスリートが世界的に大きく取り上げられづらいのは、記者とのインタビューや会見の際に、直接話さずに通訳が入ることで、どうしてもコミュニケーションの壁ができてしまうは大きな理由だと思う。例えば、現在NBAには何人ものNon-Native スピーカーがいるが、皆インタビューは英語で答えている。今トッププレイヤーのイヤニスやルーカはヨーロッパ出身であり英語により触れやすかったことも考えられるが、アジア出身のヤオも常に英語を喋っていた。(リーグに入った時と比べて、最後はかなりうまくなっていた気がする) それによって、彼らはメディアと直接コミュニケーションができるだけでなく、ファンとの交流もしやすく、トークショー番組にも出演できる。更にリーグ関係者からの評判がものをいうスポーツメディアの世界で、通訳なしで彼らと話すことができるのはその選手の印象度にも影響する。そうすることで、出身国だけでなきアメリカでも人気を獲得しやすくなる。

 

英語のスピーキングが世界的に弱い日本では、このコミュニケーション力が大きな弊害とはなっており、ここは日本のスポーツ業界が教育を進めていく必要がある分野だと思っている。(特に英語が喋れて当たり前だと思いちがちなアメリカ社会で生きていくには)。その点、大阪は幼少期からアメリカで育ったことで英語が堪能であり、問題なく世界のメディアとつながりを持てる能力は、彼女のアメリカでの人気を後押ししているはずである。

< 例えば、超有名司会者エレン・デジェネレスのトークショーにピンで出演すれば、テニスを全然知らない人にもリーチできる>

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2. 黒人のハーフであること

 これについても当たり前ではあるが、肌の色はその人のアイデンティティに大きな影響を及ぼす。特にアメリカにおいては、黒人対白人という構図が永遠のテーマであり、黒人は自分自身が黒人であるという事を強烈に出すことが多い。大阪なおみが、日本、ハイチ、アメリカという3つのアイデンティがあることは本人も語ったことがあるが、自分が黒人のハーフであることは常に意識しているのではないかと思う。逆にいわゆる純日本人ではないことで、応援したがらない人も日本国内には一部もいるようだが、アメリカでは、アジア人と黒人のハーフであることは、いい意味で彼女が注目されるきっかけとなりやすいのだろう。(一部の白人至上主義者を除き。。) もちろん、見た目や肌の色だけで人の判断をしてはいけないのだが、実際のところその人の魅力や人気に大きく関わっていることが多い。彼女は自分が日本人であることも、黒人であることもembraceしており、それが日本だけでなくアメリカでも受けいられる要素の1つとなっているのであろう。

 

3. 黒人テニスプレーヤーであること

テニスは歴史的に見ると白人のスポーツである。プレーや衣装に格式を求め、トッププレイヤーもずっと白人が占めていた。その点ゴルフに似ているかと思うが、タイガー・ウッズが黒人選手としてゴルフ界を圧倒したように、ヴィーナスとセリーナ・ウィリアムズがテニスを変えた。特にセリーナ・ウィリアムズの圧倒的な強さとテニス史上最長であろう全盛期によって史上最強のテニスプレイヤーとなった。彼女はアメリカではテニス界を超えて、マイケル・ジョーダンモハメド・アリ、トム・ブレイディなどスポーツ史上のGOAT (Greatest o All Time)の一人に数えられている。GOATトークはスポーツショーの恰好のディベートトピックであり、彼女の名前は本当にたくさん出てくる。スポーツ記者やメディアのセリーナラブLoveは本物で、テニス界の差別と戦いながら頂点に立った彼女の事を悪く言う人を全然聞かない。常日頃黒人選手にインタビューするNBAアナリストでもしょっちゅう彼女についてのツイートが出てきたりする。そんなセリーナも既に39歳とさすがに全盛期は過ぎているので、この黒人かつテニス界No.1プレイヤーの後継者こそが大阪なおみとなるわけである。テニスは未だに白人が大多数を占める状態ではあるが、その中でセリーナのような存在感を見せつけることが大阪には期待され、アメリカ人からもサポートを得られやすいことは少なからずあるのではないかと思う。実際、全豪オープンでのセリーナ対大阪のマッチアップはNBAポッドキャストでも試合前に話題となっていた。(Jalen and Jacobyなど) また、大阪自身もコービーのウェアを着てトリビュートしたりしており、大阪なおみとNBAのクロスオーバーは結構見られる。

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全豪でセリーナに勝利した後、コービーのウェアを着て質問に答える大阪なおみ

 

4. アスリートアクティビストであること

上記の黒人のアイデンティとしての強さは、彼女が黒人差別に対して大きく声を上げている事にも見られる。これまでも黒人スポーツ選手がActivismに携わってきたことは記事にしてきたが、(

アスリートとプロテスト (前篇: パイオニア達) - ディープなNBAトーク+アメリカ文化

アスリートとプロテスト (後篇: NBAスター達) - ディープなNBAトーク+アメリカ文化

)

上述のように保守的な世界にいるテニスプレーヤーとしてプロテストをリードするのは非常に珍しい。2020年のシンシナティオープンでは、Black Lives Matterムーブメント真っただ中で、ウィスコンシンで起きた警察によるジェイコブ・ブレイクの銃撃 (

終わらない黒人 v.s. 警察とラプターズGMのマサイ・ウジリに対する訴訟問題 - ディープなNBAトーク+アメリカ文化)

に抗議し、今はテニスよりも大事なことがあるとトーナメントの途中で辞退を表明した。結果的に大会自体が1日延期されることになった為、最終的にマッチに挑んだが、大阪が見せた勇気ある発言と行動は大きな賞賛を浴びた。更にその後のUSオープンでも7試合で7つ違うマスクを着用し、そのマスク全てに直近の黒人の被害者 (主に白人警官による) の名前が記載されているという画期的なプロテストを行った。これについても世界で大きな話題となり、大阪の人気を後押しすることになった。

 

ただ黒人の殺害に反対と言うだけでなく、トーナメント辞退や犠牲者の名前が書いてあるマスクの着用といった目に見える形で差別への強烈な問題提起をすることは非常に意義があることだと思う。世界中の人にリーチができるプラットフォームがある大阪なおみが、このようにムーブメントを扇動することで、日本の影響力がある芸能人やアスリートが少しでも自分の意見が発信できるような社会に変わっていって欲しいと願うばかりである。

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毎回違う黒人の犠牲者の名前が書かれたマスクを着用



5. 結局のところ彼女の人間性とカリスマ性

これまで、大阪の人気について語学や人種的な面に焦点を当ててまとめてきたが、一番大事なのは結局彼女がいつも明るく謙虚な人であることであろう。それに加えてユーモアのセンスがあり、人を引き付ける魅力を彼女自身が持っており、それが国を問わず支持されている理由なのだと思う。今後もテニス界で頂点を目指すだけでなく、コート外でも世界をリードする彼女から目が離せない。

NBA今年の注目ルーキーTop5!!

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どうも。あっという間なもので、NBAもシーズンの3分の1以上が終了した。今年は72試合のレギュラーシーズンということもあり、各チームの試合感覚が短く、いつも以上に早く感じやすくなっている気がする。今年はコロナの影響でホームコートアドバンテージがないこともあってか、トップチームが圧倒的な成績を残すこともなく、下位のチームも数年前のシクサーズのようにもうチャンスゼロみたいなわけでもない。(ウィザーズ、ピストンズ、ティンバーウルブズはかなり怪しいが、、、) 特に昨年に続き今年もプレイオフ進出の為の7位~10位の間でのPlay in トーナメントがあり、シーズン10位までに入れば、プレイオフに出れる可能性はある為、最後まで見逃せないことは間違いない。例えばウォーリアーズが10位とかになった場合のトーナメントの盛り上がりはすごいことになるだろう。

 

そこで今回は、NFLシーズンも終了し、これから更にヒートアップするNBAの中で注目すべきルーキーTop5を取り上げたいと思う。ドラフト前は今年のルーキーは過去最低レベルだと大きく取り上げられていたが、蓋を開けてみると結構クオリティの高い選手が多い気がする。ザイオン・ウィリアムソンやジャ・モラントのようにス―パスタークラスとなる選手は少ないが、リーグに長く残るNo.2~5の選手は一杯いるのではないかと思っている。既にチームに多大な影響を与えている選手も何人かいるので是非彼らのプレーをチェックしてほしい。

 

今回のランキングはあくまで個人的な主観で、見ていて興味深いという観点でつけているので、誰が一番かというスタンスではないことご了承頂きたい。

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No.5 アンソニー・エドワーズ

PPG: 14.2, AST: 2.2, RB:3,4, FG: 38.2%, 3PT: 32.4%, EFG* 44.7% (2/13時点)

今年のNo.1ドラフトピックでティンバーウルブズに入団したエドワーズは非常に興味深い選手である。彼がオールスター何回選べれる選手になるかもしれないし、ドラフト1位としてはがっかりする選手になると言われても驚かない。彼は圧倒的な身体能力を持っており、特にファーストステップとジャンプしてからのスピードが非常に速い。時折びっくりするようなダンクを繰り出すこともあり、見ていて楽しい選手である。一方ルーキーらしくアップダウンが激しく、ゾーンに入った時は凄い可能性を感じさせるが、そうでないときは宝の持ち腐れのようにも見えてしまう。大学時代からの課題であるロングショットも安定性は欠ける。また、スコアリング以外の部分で秀でているものが無さそうなのも懸念材料ではある。それは現在のFG%の低さにも表れてはいる。

 

個人的には同じくウルブズにドラフト1位で入団し、ものすごい身体能力を持ちながら、シュートの安定性と気持ちのモーターに欠け、結局ポテンシャルを発揮しきれていないアンドリュー・ウィギンズを思い出してしまう。もちろんウィギンズもで現在ウォーリアーズのスターターではあるが、おそらくこのままオールスターに一度も選出されないことを考えると残念ではある。エドワーズもスコアリングで圧倒的な力を伸ばすか、ディフェンスやプレイメイクを向上させない限り、後数年後にはリーグでの立ち位置が危ない可能性は十分考えられる。そういったこと含めて彼は見逃せない。

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No.4 ジェイソン・テイト

PPG: 9.2, AST: 1.6, RB:5.0, FG: 54.4%, 3PT: 31.3%, EFG: 58.8% (2/13時点)

ジェームズ・ハーデンのトレードトークが高まりを見せていた中のロケッツの試合でこの選手を初めて見たときに誰だとびっくりしたのが、ジェイソン・テイトである。試合中ずっと全力でハッスルプレーをして、バスケットに向かって激しくドライブしていき、パスも意外とうまく、強烈な印象を残してくれた。彼は2018年にドラフト宣言をしたが、どのチームからも指名されず、その後ヨーロッパとオーストラリアで2年間プレーしており、今年ロケッツでやっとチャンスを掴めたことで、リーグに生き残る為に必死というのが彼のプレーから伝わる。そういう意味ではチームメイトのPJ・タッカーに似ているかもしれない。

 

タッカーと同じようにテイトも身長は193センチと低いが、横幅が広くビッグマンにパワーで負けない体格を持っているのが強みであり、現在主流のスモールボールで重宝される存在になれるのではないかと思う。更にセンスが見られるチームメイトをセットアップをできる能力を磨けばドレイモンド・グリーンのような形で起用されることもあるかもしれない。(グリーンの希代のプレイメイク力とバスケIQにはかなわないとは思うが) 彼がスーパースターになることはないし、オールスター選手にもおそらくならないだろうが、ブルーワーカーの選手として、いずれ強豪チームのキーピースとなりえると思っている。

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No.3 ジェームズ・ワイズマン

PPG: 12.2, AST: 0.7, RB:6.1, FG: 50.3%, EFG: 52.6% (2/13時点)

エドワーズに次いでNo.2でセレクトされたワイズマンは今年のルーキーの中で最もスーパースターになる可能性が高い選手であると思う。現時点のスタッツに目を見張るものがないが、所々で見られる尋常じゃない動きに加えて、216センチの身長ながら、しなやかかつ俊敏な動きをする身体能力にスターの片鱗を感じさせる。現状ではディフェンス、オフェンスともに先が読めてないことをよく指摘されているが、彼は在籍したメンフィス大学の1年でほぼプレーしておらず、本格的に組織化された試合をしばらく経験していなことは大きいと考えられる。そこはチームメイトのドレイモンド・グリーンがメンター役を課って出ており、結構厳しめの指導している様子がカメラでよく見られる。(時には、ワイズマンに怒って指示する際に、レフリーにキレてると勘違いされ、テクニカルファールをくらうこともあるが、、、)

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リーグでも稀な身体能力と身長、俊敏な動き、3ポイントも打てるストローク、ディフェンスのポテンシャルによって彼がリーグ史上最強のアスレチックフリークと言われたデイビッド・ロビンソンと比べらるのも納得である。まだまだ非常に洗い素材ではあるが、イヤニスのように3~4年経てば、一気にリーグトップクラスのセンターになる可能性もあり得るので期待したい。

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No.2 ラメロ・ボール

PPG: 14.6, AST: 6.0, RB:6.0, FG: 44.2%, 3PT: 35.3%, EFG: 51.5% (2/13時点)

今最もNBA内で話題かつ、ノリに乗っているルーキーはラメロ・ボールであろう。高校時代から兄のアロンゾ・ボールとともに大きな話題を集め、1試合92点試合も達成したことで全国区の名前となる。(この試合については、合計61ショット、3ポイントについては、7/22とただただ打ちまくった結果ではあるのだが) キャラが濃すぎるお父さんとしょちゅうテレビに出ていたことで、必然的にアンチファンも生んでいたラメロは、高校を辞めてリトアニアのプロリーグにいったり、大学に行かずニュージーランドのプロリーグに行ったりと独特なキャリアを積んできた。ドラフト前では、そういったアンチの流れから彼の性格についての指摘があったり、シュート力、ディフェンスが疑問視をされた為、抜群の知名度ながらドラフトでは3位指名となった。

 

然し蓋を開けてみると、いきなりホーネッツに大きなインパクトを残す活躍をしている。彼のすごい所はなにより、Feel of the gameである。ここにいるべきという場所にいつもいたり、要所要所でスティールやリバウンドを取るのがうまい。特にリバウンドはガードながらジェイソン・キッドやラジョン・ロンドのように動きを読んでボールを確保することができる。そして彼のプレイメイク能力はまさしくスペシャルである。ボールをずっと保持するタイプではなく、オープンな選手がいればすぐにパスを出し、タッチパスやビハインドバック、バウンスパスなど高度なパスも軽々と決められる。その為、彼と一緒にプレーしている選手は楽しいだろうし、このパスとリバウンドだけでずっとNBAに残っていけるだろう。

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課題であったシュート力は予想以上に決まっており、3ポイントも平均並みの確率だが、フォームが若干歪かつバランスが崩れやすいので、今後はそこを治す必要があるのと、ゴール下でのフィニッシュ力もまだ力で負けることがあるので、相手をかわすテクニックを身に着ける必要はあるだろう。身長は高い選手なので今後改善される可能性は高いと思う。(アロンゾはここが未だに全然弱い)

シーズン開始時はベンチスタートであったが、チームへのポジティブな影響からとうとうスターターになり、コンスタントな成績を残し続けているのは評価されるべきだし、いずれオールスターになるチャンスは十分あると考えられる。何より彼がいるだけで、昨年まで退屈なチームの1つだったホーネッツがそこそこ強くなり、リーグパスでホーネッツの試合をみんな見たがるようになった功績はでかい。

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No.1 タイリース・ハリバートン

PPG: 12.1, AST: 5.4, RB:3.6, FG: 49.5%, 3PT: 44.9%, EFG: 55.2% (2/13時点)

最もエキサイティングなルーキーと言えるラメロ・ボールをおさえて1位になったのが、キングスのスーパールーキーのハリバートンである。彼を表すのに最もふさわしい言葉はSteadyである。彼もラメロと同じくとにかくFeel of the gameが素晴らしい。オフェンスだけでなく、ディフェンスにおいてもそれは表れていて、単純な1 on 1ディフェンスだけでなく、必要な時にファールをするといった感覚にも優れている。また、とび抜けた数字は残していないが、クラッチシュートも既に何本も決めており、勝負強さが際立っている。いつも得点を狙っているわけではなく、必要な時だけシュートをするというスタンスは昔ながらのポイントガードのようである。ルーキーらしからぬ冷静なプレーによって、試合の終盤は必ずプレーしており、同じくポイントガードのディアロン・フォックスとの息もぴったりであり、長らく低迷しているキングスのプレイオフ進出の可能性も見えている。

 

ドラフト前はスター性がないことや、運動神経が飛びぬけていない事もあって、12位と予想より低い順位での指名となったが、それを後悔しているチームはたくさんいるだろう。ラメロのような圧倒的なパス能力はないかもしれないが、確実なプレーとディフェンス、既に証明されているシュート力によって長生きする選手となる事は間違いない。ス―パスターになることは考えづらいが、マイク・コンリーやマルコム・ブログドンのような着実かつ勝負強いWinning Playerとして評価されると思っているが、ルーキーでこれだけの活躍をしているので、何回もオールスターに選ばれるようなガードに成長しても全く驚かない。

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日本の政治家もやばいが、アメリカの政治家もやばい (マージョリー テイラー グリーン篇)

どうも。今回は思いっきり政治のトピックに突っ込んでみたいと思う。

 

先日の森元首相の発言が世界的な問題に発展し、とうとう辞任することになった。もちろんオリンピックという国際的かつダイバシティ―を推進する場において、女性を明らかに軽視する意見はあるまじきものである。過去にも何度も失言をしている中にいくつか女性差別発言をしていることも考えると、これが森会長の真意であり、83歳である彼の考え方が変わることはないだろう。根本的な問題は、差別的な考え方を持っている人が強力な権力を持ち続けている事であり、それが公に批判を受けず、周りにいる取り巻きが擁護する構図がずっとできていたことである。首相としても支持率が非常に低く、ご老人である彼が未だに自民党霞が関で圧倒的な力を持っている事自体がおかしなことであり、今後の体制の改善、トップの入れ替わりを期待したい。

 

一方、今回の件は日本の男尊女卑の闇を改めて世界に見せつける結果になったが、今まで男性による差別発言がなーなーになる事ばかりだった中、今回のように辞任を求める声が世間から多く出る事自体新しい事であり、社会が変わりつつあるという兆しも少しあるのではないかと思う。これについては単純に時代が変わってきたとも言えるし、SNSの力によって世論が社会を動かしやすくなったこともあると思う。アメリカではTwitter Mobという言葉で、SNSという小さなコミュニティからの世論の扇動には賛否があるが、少なくとも性別や人種、セクシャリティに関する差別が見られた際に、それに抗議するムーブメントが起きやすくなったのはSNSの功績が大きい。(Black Lives MatterについてもSNSなしではここまでの国際的な運動にはならなかっただろう)

 

また、日本は老人が自分たちの保身に走ったり、古臭い考えを押し付ける政治家が多いし、居眠りしている議員もいて、十分やばい議会と言えるかもしれないが、アメリカの政治家はもっと過激でやばいことがある。そしてこのやばさがSNSによって更に進化しているのである。もちろんトランプもその一人であり、過激さとSNSの普及がマッチしたことで誕生した大統領であった。彼が一部の層に圧倒的な支持を得たのは、Twitter上の激しい発言と、彼の信じる陰謀論や嘘が拡散され、それを信じる人達が信者のようにあつまる構図ができたからだと思う。今2度目の弾劾裁判にかかっているが、1/6に起きた議会襲撃についても、彼の言葉を信じる者によって起きた惨事であり、彼の責任は非常に重く、罰せられるべきだと思う。 (その内容と背景については下記記事参照)

atsukobe.hatenablog.com

ただ今回はトランプではなく、今いるやばい政治家の中から、マージョリー テイラー グリーン (Marjorie Taylor Green) にフォーカスしたい。f:id:atsukobe:20210211230619j:plain

 

彼女は、昨年の大統領選挙と一緒に行われたジョージア州の選挙に初当選したばかりであるのだが、とりあえずやることなすことがやばく、民主党過半数の下院でい、任命されていた教育委員会などから除名されることになった。彼女もSNSで拡散されるいくつもの陰謀論を信じ、それを自ら発信していったことで一部の過激層からの人気を獲得し、当選してしまったという悪い例である。

そこで、今回はそんなグリーンのクレイジーな言動10個をリスト化してみた。(ありすぎだろ。。。)

 

1. 大統領選挙の不正主張

これは他にも一杯いるので、まだ序の口。言うまでもなくトランプ大好き支持者である。

 

2. Qアノン支持

彼女が以前、Qアノンをサポートする動画やブログを挙げていたことが知られており、アメリカ議会の中で唯一オープンにQアノンを支持した人である。Qアノンは、悪魔崇拝の組織の中に民主党員やセレブが存在し、彼らは小児性愛者で、世の中を支配しており、これを唯一倒すことができるのはトランプだけという全く意味の分からない陰謀論である。トランプが再当選したらすべてが明らかになるという話だったのだが、結局バイデンの就任式では何も起きなかったので、Q支持者が減ったらしい。そもそもどうやってこんな事を思いついたのかが気になる。

 

3. ピザゲート支持

これはQアノンの前身のようなものだが、ヒラリー・クリントンは子供の人身売買に関わっており、それをピザ屋の地下室で運営しているというもの。なんでいつも子供の性的虐待に拘るのだろうか。

 

4. 民主党全国委員会員の死亡はオバマの指示

これもまた陰謀論だが、2016年に強盗の被害で死亡したとされる、民主党全国委員会員のセス・リッチは、2016年の民主党のメールがリークしたことに関わっており、メールの内容を恐れた民主党トップが殺害を指示したというもの。こちらも証拠が一切ない。

 

5. 9・11の同時多発テロはなかった

この陰謀論は昔から存在しているが、逆にテロじゃなかったという証拠を出して欲しい。(これはどちらかというと左派からの陰謀が強かっただけに、これを信じているのは逆に驚きである)

 

6. ルース・ベイダー・ギンズバーグには影武者がいる

2019年に空港で歩いていたRBGがいつもよりしっかりと歩いており、いつもよぼよぼ歩いているのとは演技で実は影武者がRBGの代わりをやっているという理解しづらい陰謀。元ネタとしては、RBGがずっと前に死んでいたけど、リベラル系の判事を残す為に、影武者を民主党が使ったというもの。そんなことしたらさすがにばれると思うが。。。(結局RBGはトランプ在任中に亡くなってしまい、代わりとしてこれまたやばいエイミー・コニー・バレットを判事に任命することになってしまったのだが)

 

7. カリフォルニア州の山火事は宇宙からのレーザーのせい

2018年頃から起きているカリフォルニア州の山火事は、ユダヤ教徒によって出資された宇宙太陽光発電のレーザーによる事故だというもの。本当はレイザーで森を破壊して、そこに鉄道を作ろうとしていたというバックストリーである。もうここまで来ると不思議ちゃんなのかなとなる。

 

8. 最近の銃乱射事件は嘘

2017年に起きたラスベガスでの銃撃乱射や、2018年にフロリダのパークランドで起きた銃乱射は、銃規制をしようとしている人達によって画策されたinside jobであり、加害者はそのアジェンダを実行する為にやったというもの。更に、この女はパークランドの生存者の活動家の学生の後をつけて、お前は何で銃規制をサポートするんだ、お前は臆病者だと叫んだりしている。やっぱり不思議ちゃんではなく、くろ野郎である。

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9. 反ムスリム反ユダヤ主義

ただの差別主義者はアメリカに山ほどいるが、ユダヤ人、ムスリムがヨーロッパを破壊しようと計画しているのだと陰謀論を自分から拡散していたことで問題なった。もう驚きもしない。

 

10. ナンシー・ペローシの死刑要求

過去にペローシだけでなく、クリントンオバマを殺すこともサポートしており、これこそトランプと同じく暴力の推奨で逮捕されるべきでは?と思う。もう優しく見逃してあられる要素が全然ない。

 

以上アメリカ史上最高峰にやばい議員の紹介であった。一刻も早く議員の立場から追放されるべきだと思うが、共和党がそんなことをするわけはないので諦めるしかない。グリーン以外にもまだまだやばい議員は一杯いることはいるが、また追々深堀したいと思う。日本でも彼女並の逸材が当選しないことを祈るばかりである。

 

ブルックリン・ネッツのBig3誕生の裏側とポテンシャル

どうも。3週連続でジェームズ・ハーデンとブルックリン・ネッツについての記事となってしまうが、あらためてブルックリン・ネッツの、ケビン・デゥラント、カイリー・アービング、ジェームズ・ハーデンのBig3誕生の軌跡とハーデンのトレードリクエスト、カイリー問題から、チームの今後について考えていきたい。

 

1. KDとカイリーによるネッツ移籍

オクラホマシティ・サンダーから批判を受けながら強豪チームのウォーリアーズに移籍し、最強チームを結成して2連覇とファイナルMVPも2年連続受賞したKD。然し、どんなに勝ってもウォーリアーズはステファン・カリーのチームであり、圧倒的な成績を残しても彼へのメディアとファンからの批判が止まらなかったことで、デゥラントは不満を溜めていく。そして、3年目のシーズン中には移籍すると騒がれ続け、チームメイトのドレイモンド・グリーンと試合中に口論にもなったりして、1年中話題となった。プレイオフ中にケガをし、優勝も逃したKDは、結局オフシーズンにネッツに移籍することになる。

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そこで一緒に移籍したのが、KDの親友で同じくボストン・セルティックスで不満を溜めていたカイリー・アービングである。クリーブランド・キャバリアーズではレブロンの永遠のNo.2になってしまうことが嫌だったカイリーはトレードを要求し、ボストンに移籍をした。然し、2年目の時点では既にチームケミストリーに問題が出始め、プレイオフでもやる気があまり見られないようなプレーで敗退し、ボストンファンからも大きな批判の対象となっていた。シーズン途中からFA行使の噂がたっていたが、予想通りKDとタッグを組み、ネッツに移籍をすることになる。(当初はずっと2人でニックスに行くと言われてはいたが、、、)

 

然し、ウォーリアーズ時代のNBAファイナルでアキレス腱を断裂したKDはネッツ移籍後1年目は全休、カイリーも20試合だけの出場に留まり、新生ネッツの姿は実質見ることができなかった。

 

2. ジェームズ・ハーデンのトレードリクエス

ヒューストン・ロケッツで8シーズン過ごし、名実ともに2010年代のベストシューティングガードかつ史上最高のオフェンシブプレイヤーの一人となったハーデンは、毎年プレイオフには出ていたが優勝には届かずにいた。2017-18シーズンはクリス・ポールをチームメイトにし、リーグ最高勝率となり、プレイオフでもカンファレンス・ファイナルでデゥラント擁するウォーリアーズを3勝2敗と追い込んだが、クリス・ポールのケガの影響や、第7戦でリードしながら27連続スリーポイントを外す等あり、ファイナルには進出できなかった。その後クリス・ポールと馬が合わなくなったハーデンは、昨年ポールと引き換えにラッセル・ウエストブルックを獲得するように要求したが、ウエストブルックとのフィットは完璧ではなく、プレイオフでもレイカーズに敗北した。

 

今シーズンに向けて優勝のチャンスがないと見たハーデンはプレシーズン開始前にトレードをリクエストする。しかも移籍先はKDとカイリーのいるネッツ一本で要求したのだ。そもそものネッツへの移籍希望した理由も、オフシーズンに元チームメイトのKDとピックアップゲームをして一緒にプレーしたいなという話をしたからというものであり、ネッツのトレードアセットを考えると最初は現実味があまりないように見えた。

 

ここで問題なのがトレード要求の仕方である。まずそもそもロケッツは在籍中にかなりハーデンを好きなようにさせており、彼だけ特別なスケジュールを認めたり、チームで試合のビデオを分析する際にハーデンが遅刻するのをみんなで待たなきゃいけないといったことが日常茶飯事であったようである。更に、ハーデンは、ポールやウエストブルックのように自分が欲しい選手の獲得を要求しては1~2年目で仲が悪くなって、その選手の放出を希望することを繰り返していた。

 

それだけでも批判を受けやすくはなっていたのだが、更に状況を悪くしたのは、ハーデンがチームキャンプ初日に来なかっただけでなく、自らのInstagramで、ラッパーのlil babyとクラブで一緒にいる写真を投稿したのである。しかもこのコロナの状況でマスクをしていない写真を投稿したことで、彼のプロ意識についてメディアでは多くの議論がなされた。この後もハーデンがマスクなしで違うパーティーに参加しているところが報道され、更に批判が高まった。

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コロナの中で大人数でマスクなしでパーティーするハーデン (12/3のアトランタ)

この後チームに戻ることには同意したのだが、上記の行動はもちろんNBAのコロナ規則にひっかかり、1週間隔離を余儀なくされる。結局トレードはシーズン前にはされずに、ハーデンがプレーすることにはなったのだが、実際にコートに立ったハーデンはどう見ても太っており、ベストシェイプには程遠かった。そんな彼が太って見える写真は、SNS上で大いに笑いのネタになった。

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こんな体系でも最初の数試合は30得点以上を連発しさすがの実力を見せつけたが、少し経つとやる気をなくしたのか、得点も20点を切るようになり、ディフェンスも一切参加せず、ベンチプレイヤーからもやる気のなさを指摘されるなど、チームへの悪影響は目に見えていた。

 

これまでのPlayer Emopowermentは様々な形で行われてきたが、ここまであからさまにチームへの不満を明らかにし、コロナのルールも違反して、チームにも迷惑をかけ続けるというパワームーブはハーデンがリーグ史上はじめてといえる。個人的にはハーデンがトレードをリクエストすること自体に異論はないが、チームメイトやこれまでずっと守ってくれたチームやスタッフに対する一定のリスペクトは示す必要があったと思っており、今後もこれがリーグの慣習にならないことを祈っている。

Player Empowermentの歴史については直近の記事で前篇と後篇でまとめているので是非ご覧頂きたい。

atsukobe.hatenablog.com

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3. ハーデン獲得に至ったトリガー

ハーデンがカイリーとKDと一緒にネッツに移籍してプレーしたがっていたのに対して、ロケッツにとってハーデンのトレード対価となるアセットがネッツにはなかった。リーグ1のオフェンシブプレイヤーを獲得するには、それなりの選手か、たくさんのドラフトピックの組み合わせが必要である。その為当初はシクサーズのベン・シモンズ+1ののトレードが両チームにとってもっともWin-winではないかと言われていた。ネッツもKDがアキレス腱のケガから復帰してほぼ100%の状態に近く、カイリーとのコンビネーションもスムーズであった。更にネッツは、スペンサー・ディンウィディー、カリス・ラヴァ―ト、ジャレッド・アレン、ジョー・ハリスといったスターを固めるロールプレイヤーが揃っていた為、ハーデンというボール保持率が高い選手を獲得するのは逆にリスクが高いと思われた。

 

然し、その後状況が若干変化する。まずディンウィディーがシーズン序盤にケガをし、今度はNBAメディアでも大騒ぎとなるカイリーの失踪事件が起こる。1/6に白人至上主義のトランプサポーターがアメリカ議会で暴動を起こした後、チームと連絡がつかなくなったのである。(この事件については下記の記事参考)

atsukobe.hatenablog.com

 

カイリーはヘッドコーチのスティーブ・ナッシュや、ネッツGMにも連絡をせずに、試合直前にチームメイトに連絡しただけであった。カイリーについては以前から、頭の良さや黒人差別、社会問題に対する関心の高さが賞賛される一方、同時に気難しい性格でも知られている。キャブス時代から、ある日はすごい機嫌が良いが、次の日はチームの誰とも口を聞かないといったアップダウンがあると言われていた。

 

その後も数試合チームはカイリーと連絡がつかず、今度は彼が妹の誕生日パーティーにマスクをつけないでいる姿が目撃される。もちろん1/6の件は多くの人にとって衝撃だったし、メンタルブレイクが必要なことは理解できるが、休みが欲しいのであればチームに連絡する義務はあるし、不在中にマスクを着けずにパーティーにいったことは単純に無責任で批判されるべきであることだと思う。彼の考えや社会貢献は素晴らしい一面もあるが、こういったいわゆる一般的な常識から外れた行動をしてしまうのが、カイリーの欠点であると言える。

 

このカイリーの失踪によりネッツが最終的に動いたという見方が強い。そもそもカイリーはケガが多い選手であり、今回のようにいきなり消えてしまう事を考えた場合、カイリーが万が一またいなくなっても優勝できる可能性を残す為に、ある意味の保険としてハーデン獲得に動いたのである。個人的にもネッツが重い腰を動かし方最大の要因はカイリー不在に焦ったからであると思っている。また、ロケッツとの1対1トレードでは必要なアセットがなかったが、複数チームと話し合い、4チーム間でのトレードにすることによってハーデンのトレードが成立した。インディアナ・ペイサーズでチームと馬が合わなくなっていたヴィクター・オラディポや若手選手を欲しがっていたキャバリアーズを絡めたのである。これによって、KD、カイリー、ハーデンというBig3が誕生し、ハーデンのトレードのニュースのすぐ後、カイリーもチームに戻ることが決まる。

 

4. 新たなBig3の実力と優勝のチャンス

新ネッツが誕生して10試合近くが経った。まず言えることはネッツのオフェンスは半端ないBig3の爆発力は目に見張るものがあり、各選手がどんな状況でもオフェンスを作り出すことができる。一般的にオフェンス力が高い選手が3人揃った場合には、誰か一人が犠牲を払う必要がある。例えばマイアミ・ヒートであればクリス・ボッシュ、ボストンではレイ・アレンが自分が得点するチャンスを減らして、3番手のポジションに落ち着いたことでオフェンスが機能しやすくなった。ネッツでは、ハーデンが一歩下がったプレーをしているのが今のところ印象的である。ハーデンは3年連続得点王になってはいるが、プレイメイクやアシストの質も非常に高い選手である。その為、彼が基本的にオフェンスのセットアップをしてアシスト役に徹している。ロケッツ自体の2018年は1試合平均24.5回のシュート数が、ネッツ移籍後は15.5回、フリースローも平均10回以上が当たり前だったのが、現在は7本程度と彼が自ら得点を狙う機会を減らしていることが分かる。

 

一方で、ハーデン以上の希代のスコアラーであるKDはこれまで通りのシュート数を打っているのは納得だが、カイリーも全く引かずに得点を狙っているのも目に止まる。カイリーとハーデンであれば、正直得点力はハーデンの方が上であり、ハーデンが今後もずっとプレイメイキング優先でいくのか、カイリーに譲らずアイソレーションプレーを増やしていくのかは見ものである。(個人的な見解だが、ハーデン移籍当初に、カイリー抜きでハーデンとKDのBig2で数試合プレーしていた時の方がオフェンスはスムーズには見えた)。3人のバランスがこれからもずっと保たれるのかは未知数ではあるが、いずれにしても、Big3にシューターのジョー・ハリスを加えたオフェンスの破壊力はどのチームにも負けない。

 

問題は、ディフェンス、特にリムディフェンスである。ハーデンやカイリーは決して優れたディフェンダーとは言えない。(特にハーデンはやる気のないディフェンスをずっと批判されてきた) デゥラントは比較的ディフェンス力は高く、ビッグマンとしてのリムプロテクションも適宜できるが、ケガから復帰したばかりであることを考えると負担をかけきれない。一番の問題は、トレードでジャレッド・アレンを放出したことで、真のビッグマンがディアンドレ・ジョーダンしかいないことである。5、6年前はクリッパーズで非常に高いディフェンス力を持っていたジョーダンだが、ここ数年は運動神経が落ち、どう考えても平均以上のディフェンダーとは言えない。その為ペイントを守れる選手が全然おらず、更にペリメイターのディフェンスストッパーもいない状況で果たしてプレイオフで勝ち抜けるのかは疑問である。プレイオフでは通常各チームのディフェンスのレベルが上がり、得点を挙げることが難しくなる。ディフェンスのプレッシャーが高まる中で、オフェンス便りのチームが勝ち抜けくことができるかと考えると、これまでの歴史上はNoと言える

 

最後にもう1つ気になるのはチームケミストリーである。これまで記述してきた通り、カイリーは非常に扱いづらい性格であり、ハーデンもわがまま気質であり、ポールやドワイト・ハワードといったスターと対立してきた。更にデゥラントも気分屋で、チームメイトやメディアからの批判に敏感である。最初は上手くいっていたウォーリアーズのチームメイトとも結局仲別れしている。3人とも友達であるとはいえ、決して模範生とは言えないグループが集まっていることで、どこかで問題が起きないか気がかりではある。また、3人ともアルファと呼ばれるチームを引っ張るリーダータイプではない為、チームが苦境に立たされた時に誰が回りを鼓舞するのかも不明である。なんだかんだでチームケミストリーは優勝にとって不可欠な要素となるので、果たしてどこまでチームとして機能するのかも?マークがつく。

 

ス―パスター3人が集まったネッツはオフェンスについては疑いの余地はない。他方、穴だらけのディフェンスと気分屋3人が率いるチームがプレイオフで成功を収められるかは疑わしく、更なるトレードがない限り、筆者はネッツは今年優勝できないと読む。いずれにせよ、ネッツは今シーズン最も注目のチームであり、目を離すことはできない。

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