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NBA今年の注目ルーキーTop5!!

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どうも。あっという間なもので、NBAもシーズンの3分の1以上が終了した。今年は72試合のレギュラーシーズンということもあり、各チームの試合感覚が短く、いつも以上に早く感じやすくなっている気がする。今年はコロナの影響でホームコートアドバンテージがないこともあってか、トップチームが圧倒的な成績を残すこともなく、下位のチームも数年前のシクサーズのようにもうチャンスゼロみたいなわけでもない。(ウィザーズ、ピストンズ、ティンバーウルブズはかなり怪しいが、、、) 特に昨年に続き今年もプレイオフ進出の為の7位~10位の間でのPlay in トーナメントがあり、シーズン10位までに入れば、プレイオフに出れる可能性はある為、最後まで見逃せないことは間違いない。例えばウォーリアーズが10位とかになった場合のトーナメントの盛り上がりはすごいことになるだろう。

 

そこで今回は、NFLシーズンも終了し、これから更にヒートアップするNBAの中で注目すべきルーキーTop5を取り上げたいと思う。ドラフト前は今年のルーキーは過去最低レベルだと大きく取り上げられていたが、蓋を開けてみると結構クオリティの高い選手が多い気がする。ザイオン・ウィリアムソンやジャ・モラントのようにス―パスタークラスとなる選手は少ないが、リーグに長く残るNo.2~5の選手は一杯いるのではないかと思っている。既にチームに多大な影響を与えている選手も何人かいるので是非彼らのプレーをチェックしてほしい。

 

今回のランキングはあくまで個人的な主観で、見ていて興味深いという観点でつけているので、誰が一番かというスタンスではないことご了承頂きたい。

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No.5 アンソニー・エドワーズ

PPG: 14.2, AST: 2.2, RB:3,4, FG: 38.2%, 3PT: 32.4%, EFG* 44.7% (2/13時点)

今年のNo.1ドラフトピックでティンバーウルブズに入団したエドワーズは非常に興味深い選手である。彼がオールスター何回選べれる選手になるかもしれないし、ドラフト1位としてはがっかりする選手になると言われても驚かない。彼は圧倒的な身体能力を持っており、特にファーストステップとジャンプしてからのスピードが非常に速い。時折びっくりするようなダンクを繰り出すこともあり、見ていて楽しい選手である。一方ルーキーらしくアップダウンが激しく、ゾーンに入った時は凄い可能性を感じさせるが、そうでないときは宝の持ち腐れのようにも見えてしまう。大学時代からの課題であるロングショットも安定性は欠ける。また、スコアリング以外の部分で秀でているものが無さそうなのも懸念材料ではある。それは現在のFG%の低さにも表れてはいる。

 

個人的には同じくウルブズにドラフト1位で入団し、ものすごい身体能力を持ちながら、シュートの安定性と気持ちのモーターに欠け、結局ポテンシャルを発揮しきれていないアンドリュー・ウィギンズを思い出してしまう。もちろんウィギンズもで現在ウォーリアーズのスターターではあるが、おそらくこのままオールスターに一度も選出されないことを考えると残念ではある。エドワーズもスコアリングで圧倒的な力を伸ばすか、ディフェンスやプレイメイクを向上させない限り、後数年後にはリーグでの立ち位置が危ない可能性は十分考えられる。そういったこと含めて彼は見逃せない。

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No.4 ジェイソン・テイト

PPG: 9.2, AST: 1.6, RB:5.0, FG: 54.4%, 3PT: 31.3%, EFG: 58.8% (2/13時点)

ジェームズ・ハーデンのトレードトークが高まりを見せていた中のロケッツの試合でこの選手を初めて見たときに誰だとびっくりしたのが、ジェイソン・テイトである。試合中ずっと全力でハッスルプレーをして、バスケットに向かって激しくドライブしていき、パスも意外とうまく、強烈な印象を残してくれた。彼は2018年にドラフト宣言をしたが、どのチームからも指名されず、その後ヨーロッパとオーストラリアで2年間プレーしており、今年ロケッツでやっとチャンスを掴めたことで、リーグに生き残る為に必死というのが彼のプレーから伝わる。そういう意味ではチームメイトのPJ・タッカーに似ているかもしれない。

 

タッカーと同じようにテイトも身長は193センチと低いが、横幅が広くビッグマンにパワーで負けない体格を持っているのが強みであり、現在主流のスモールボールで重宝される存在になれるのではないかと思う。更にセンスが見られるチームメイトをセットアップをできる能力を磨けばドレイモンド・グリーンのような形で起用されることもあるかもしれない。(グリーンの希代のプレイメイク力とバスケIQにはかなわないとは思うが) 彼がスーパースターになることはないし、オールスター選手にもおそらくならないだろうが、ブルーワーカーの選手として、いずれ強豪チームのキーピースとなりえると思っている。

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No.3 ジェームズ・ワイズマン

PPG: 12.2, AST: 0.7, RB:6.1, FG: 50.3%, EFG: 52.6% (2/13時点)

エドワーズに次いでNo.2でセレクトされたワイズマンは今年のルーキーの中で最もスーパースターになる可能性が高い選手であると思う。現時点のスタッツに目を見張るものがないが、所々で見られる尋常じゃない動きに加えて、216センチの身長ながら、しなやかかつ俊敏な動きをする身体能力にスターの片鱗を感じさせる。現状ではディフェンス、オフェンスともに先が読めてないことをよく指摘されているが、彼は在籍したメンフィス大学の1年でほぼプレーしておらず、本格的に組織化された試合をしばらく経験していなことは大きいと考えられる。そこはチームメイトのドレイモンド・グリーンがメンター役を課って出ており、結構厳しめの指導している様子がカメラでよく見られる。(時には、ワイズマンに怒って指示する際に、レフリーにキレてると勘違いされ、テクニカルファールをくらうこともあるが、、、)

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リーグでも稀な身体能力と身長、俊敏な動き、3ポイントも打てるストローク、ディフェンスのポテンシャルによって彼がリーグ史上最強のアスレチックフリークと言われたデイビッド・ロビンソンと比べらるのも納得である。まだまだ非常に洗い素材ではあるが、イヤニスのように3~4年経てば、一気にリーグトップクラスのセンターになる可能性もあり得るので期待したい。

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No.2 ラメロ・ボール

PPG: 14.6, AST: 6.0, RB:6.0, FG: 44.2%, 3PT: 35.3%, EFG: 51.5% (2/13時点)

今最もNBA内で話題かつ、ノリに乗っているルーキーはラメロ・ボールであろう。高校時代から兄のアロンゾ・ボールとともに大きな話題を集め、1試合92点試合も達成したことで全国区の名前となる。(この試合については、合計61ショット、3ポイントについては、7/22とただただ打ちまくった結果ではあるのだが) キャラが濃すぎるお父さんとしょちゅうテレビに出ていたことで、必然的にアンチファンも生んでいたラメロは、高校を辞めてリトアニアのプロリーグにいったり、大学に行かずニュージーランドのプロリーグに行ったりと独特なキャリアを積んできた。ドラフト前では、そういったアンチの流れから彼の性格についての指摘があったり、シュート力、ディフェンスが疑問視をされた為、抜群の知名度ながらドラフトでは3位指名となった。

 

然し蓋を開けてみると、いきなりホーネッツに大きなインパクトを残す活躍をしている。彼のすごい所はなにより、Feel of the gameである。ここにいるべきという場所にいつもいたり、要所要所でスティールやリバウンドを取るのがうまい。特にリバウンドはガードながらジェイソン・キッドやラジョン・ロンドのように動きを読んでボールを確保することができる。そして彼のプレイメイク能力はまさしくスペシャルである。ボールをずっと保持するタイプではなく、オープンな選手がいればすぐにパスを出し、タッチパスやビハインドバック、バウンスパスなど高度なパスも軽々と決められる。その為、彼と一緒にプレーしている選手は楽しいだろうし、このパスとリバウンドだけでずっとNBAに残っていけるだろう。

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課題であったシュート力は予想以上に決まっており、3ポイントも平均並みの確率だが、フォームが若干歪かつバランスが崩れやすいので、今後はそこを治す必要があるのと、ゴール下でのフィニッシュ力もまだ力で負けることがあるので、相手をかわすテクニックを身に着ける必要はあるだろう。身長は高い選手なので今後改善される可能性は高いと思う。(アロンゾはここが未だに全然弱い)

シーズン開始時はベンチスタートであったが、チームへのポジティブな影響からとうとうスターターになり、コンスタントな成績を残し続けているのは評価されるべきだし、いずれオールスターになるチャンスは十分あると考えられる。何より彼がいるだけで、昨年まで退屈なチームの1つだったホーネッツがそこそこ強くなり、リーグパスでホーネッツの試合をみんな見たがるようになった功績はでかい。

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No.1 タイリース・ハリバートン

PPG: 12.1, AST: 5.4, RB:3.6, FG: 49.5%, 3PT: 44.9%, EFG: 55.2% (2/13時点)

最もエキサイティングなルーキーと言えるラメロ・ボールをおさえて1位になったのが、キングスのスーパールーキーのハリバートンである。彼を表すのに最もふさわしい言葉はSteadyである。彼もラメロと同じくとにかくFeel of the gameが素晴らしい。オフェンスだけでなく、ディフェンスにおいてもそれは表れていて、単純な1 on 1ディフェンスだけでなく、必要な時にファールをするといった感覚にも優れている。また、とび抜けた数字は残していないが、クラッチシュートも既に何本も決めており、勝負強さが際立っている。いつも得点を狙っているわけではなく、必要な時だけシュートをするというスタンスは昔ながらのポイントガードのようである。ルーキーらしからぬ冷静なプレーによって、試合の終盤は必ずプレーしており、同じくポイントガードのディアロン・フォックスとの息もぴったりであり、長らく低迷しているキングスのプレイオフ進出の可能性も見えている。

 

ドラフト前はスター性がないことや、運動神経が飛びぬけていない事もあって、12位と予想より低い順位での指名となったが、それを後悔しているチームはたくさんいるだろう。ラメロのような圧倒的なパス能力はないかもしれないが、確実なプレーとディフェンス、既に証明されているシュート力によって長生きする選手となる事は間違いない。ス―パスターになることは考えづらいが、マイク・コンリーやマルコム・ブログドンのような着実かつ勝負強いWinning Playerとして評価されると思っているが、ルーキーでこれだけの活躍をしているので、何回もオールスターに選ばれるようなガードに成長しても全く驚かない。

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