NBA最強インゲームダンカーランキング TOP15 <5位~1位>
どうも。前回の投稿から大分時間経ってしまったが、NBA最強インゲームダンカーランキングも最後のTop5まできた。ここに入ってくるのはダンクといえばと考えたときに真っ先に思い浮かぶ選手達である。直近のスーパースター達はTop5にはいないが、現在のスターに大きな影響を与えていることは間違いない。
Top15~Top6までは前回までの別記事をご参照。
No.5 ショーン・ケンプ
破壊力という言葉がこれほど相応しいダンカーは過去にも今後にもショーン・ケンプを超える存在は出てこないだろう。2メートル8センチの身長と圧倒的なパワーを持ちながら、同時にCoast To Coastで自分でドリブルしながら相手を突っ切るスピードとリムから飛び出るジャンプ力を兼ね備えていた。パワーフォーワードの選手で空中の戦いを得意分野としたのは、ケンプがNBA史上初であると思う。
Top10入りしたブレイク・グリフィンやアマーレ・スタウダマイアーも似たような体格と身体能力を持っていたが、ケンプの支配力には及ばない。何よりケンプはディフェンダーの恥をかかせてやろうという気持ちが誰よりも強く、クールなダンクをかます度に、ガッツポーズやディフェンダーをTaunting (相手を睨みつけて威圧すること) をしていた。そういった行為がすぐに罰せられる現在のNBAでは、ケンプはテクニカルファールだらけになってしまうのではないか。ケンプのNo.1ダンクと言われるアルトン・リスター越しのフェイシャルダンクを決めた後は、リスターに向かって指を指して馬鹿にしているのは有名だが、これも今のNBAではご法度になるだろう。
そんなケンプはトゥルー・ショーマンであり、チームメイトであったゲイリー・ペイントのアリウープはお家芸であった。ブレイク・グリフィン (+ディアンドレ・ジョーダン) とクリス・ポールはアリウープを連発し、Lob City (ロブはアリウープのパスのこと) と言われて人気だったが、オリジナルLob Cityはケンプとペイトンのコンビであることに間違いない。
No.4 ジュリアス・アービング
ケンプがパワーフォードダンカーの先駆者であれば、近代NBAのダンクそのもののパイオニアはDr. Jことジュリアス・アービングである。ダンクをただ単に得点を稼ぐ手法ではなく、スタイリッシュなものとしたのはアービングが最初であり、その後のジョーダンやヴィンス・カーターといった選手にも多大な影響を与えた。彼の全盛期は70年代だったが、NBAのライバルであったABA (NBAに対抗してエンターテイメント性を重視したリーグ。後にNBAと統合) に所属していた為、全国区の知名度はなかった。然し、バスケットボール界では最もエキサイティングな選手として有名となっており、アフロヘア―をなびかせながら、アクロバティックなプレーをいくつも繰り出し、何事もなかったかのように常に冷静に振る舞う姿はまさに"クール"のひと言である。
Dr. Jが片手のトマホークダンクをいつもかっこよく決めることができたのは、尋常じゃない手の大きさも影響している。その手のデカさによって、自由自在にボールを掴むことができ、ボールを掴みながら右手を振りかざすような動きができた。彼の有名なダンクであるRock the Baby (子供をあやかすかのように手が動いているとうこと) も彼の手の大きさとナチュラルな優雅な動きによって生み出された史上最高のダンクの1つである。しかもこの時既に30代半ばであるから驚きである。
ちなみにであるが、今では有名になっているスラムダンクコンテストでのフリースローダンクを最初に決めたのもアービングである。ABA時代の史上初のスラムダンクコンテストでアービングが披露したダンクは、後にジョーダンによって更に有名になった。ダンクについての歴史上の功績は計り知れないものがあり、Dr. Jはダンク界のゴッドファーザーと言えるであろう。
No.3 マイケル・ジョーダン
アービングがダンクの先駆者であれば、ダンクを世界中に広めたのは、史上最高のバスケットボール選手であるジョーダンであろう。マジック・ジョンソンとラリー・バードという2人のビッグネームがパスを中心に地上戦でNBAを支配していた80年代に、空中戦を持ち込んだのはジョーダンである。ジョーダンのダンクはアービングに似ている部分が多く、片足踏切から滞空時間が長く、まさに宙を舞っているかのような姿は美しい限りである。ジョーダンもまた手が非常に大きく、片手でボールを掴むことができたことも、その華麗さを際立たせており、彼もRock the Babyを試合中に何度も披露している。(あくまでオープンコートでディフェンダーがいない時にではあったが)
ジョーダンをベストプレイヤーへと押し上げた、相手を打ち負かしてやるという病気ともいえる競争心はダンクの場面でも十分に発揮され、目の前に立ちはだかるディフェンダーに向かって突っ込んでいくようにフェイシャルダンクを何回も決めている。(同時に彼の舌も毎回ディフェンダーに向かって尖がって突きつけられていた)
ジョーダン史上ベストのダンクは、1991年のプレイオフで宿敵のニューヨーク・ニックス相手に繰り出したベースライン上のダンクである。ダンクそのものもすごいのだが、その前に2人のディフェンダーをボールフェイクで見事にかわして、最後に締めとしてセンターのパトリック・ユーイングの上からダンクを決めたのである。クロスオーバー、ダンクを組み入れたトータルパッケージのムーブかつ、プレイオフで披露されたという観点で、史上最高のダンクTop3に入ると思う。
No.2 ドミニク・ウィルキンス
ジョーダンが80年代~90年代初頭のベストダンカーだという声は強いかもしれないが、私的にはドミニクの方が若干上回ると思う。ヒューマンハイライトフィルムというあだ名のドミニクはジョーダンと同時期に活躍した選手であった為、プレイヤーとしてもダンカーとしても常に比較され続け、ジョーダンの陰に隠れがちであったが、ダンクのスタイルは対照的である。ジョーダンは滞空時間と優雅さが特徴的だったのに対して、ドミニクは常に2本足ジャンプから踏み切る超人的なスピードとパワーで相手を圧倒した。そういった意味で、今回のTop10に入っているジェイソン・リチャードソンと似ている部分が多いが、リチャードソンと比較してもリムを破壊するのではないかというぐらいのパワーが全く違う。
ドミニクは目の前にディフェンダーがいようがおかいまなく、空中でパンプフェイク入れながらダンクをしたり、正面から相手の心を傷つけるようなプレーを連発した。何より彼はダンクをすること自体に非常に誇りを持っており、少しでもスキがあればウィンドミルや360といったコンテストで行うようなダンクも試合中で見せていた。スラムダンクコンテストに史上最多の5回出場しているあたりも、ドミニクのダンクへの拘りが見れる。彼のダンクはまさにFuriousという言葉がぴったりであり、レブロンやケンプのパワーと、コービーやマグレディのクリエイティビティが合わさっている。
そんなドミニクのベストダンクも、ジョーダンと同じくベースライン上のものである。ポストアップでボールを受け取ってから、体の方向がサイドになり、ディフェンダーに空中でぶるかりながら、ダブルクラッチで相手の上からパワーダンクを繰り出せるのはNBAの歴史でもドミニクしかいないかもしれない。しかも残り40秒の接戦という緊迫した中で、瞬時の動きで相手の上からダンクを決めようという事自体が、ドミニクのマインドセットと創造性を強く表していると思う。
No.1 ヴィンス・カーター
説明不要の史上最高のダンカー。ダンクのどんな観点からも彼を超える人はいない。以前の記事で彼のダンクがどれほど凄いか記載しているので、是非ご覧頂きたい。