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NBAオールスター 最強ダンクコンテストダンカーランキング Vo.2

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どうも。先日はNBAオールスターが実施され、無事に1日で全てのイベントが行われた。シクサーズのジョエル・エンビードと、ベン・シモンズの散髪係がコロナにかかったということで、2人が濃厚接触者となり、オールスター当日に参加不可となったが、不幸中の幸いで直前に確認が取れた為、大きな問題とはならなかった。

 

実際の試合は、みんなケガしないようにプレーしている感が強く、各クオーターで大差がついてしまい、最後はガチな試合が見られた2020年のオールスターと比べたらレベルは下がっていた。また、ケガしないようにしているからか、オールスター特有の激しいダンクなども全然見られず、とりあえず3ポイントを打ちまくる試合ではあった。ただそんな中で、ステファン・カリーとデイミアン・リラードの半端じゃないシュート力はentertainingだったし、イヤニスが3ポイント含めて16/16のという100%のFGを記録したのは単純に楽しかったので、個人的な総合評価はB-といったところである。

 

その他のイベントを1つずつ見ていくと、まずスキルチャレンジはもうやめた方がいいんじゃないかと思ってしまう。スキルチャレンジが最初に登場した時は、3つ違うタイプのパスを決めなければいけなかったし、それぞれのパスの難易度も高かったし。また数年前からドリブルのジクザクとパスがそれぞれ1回だけになり、ガードが中心のイベントだったところ、ビッグマンも参加するようになったことで、難易度が一気に簡単になり正直盛り上がるに欠けるイベントになってしまった。実際今回の決勝はドマンタス・サボニスとニコラ・ブーチェビッチの2人のビッグマンの対決で全く面白いとは言えなかった。そもそものイベント内容を変えるか、より盛り上がるように今後の改善を期待したい!

 

今回の一番盛り上がったイベントは3ポイントコンテストであったが、これはここ数年のトレンドになっている。スターが参加しないダンクコンテストに変わり、このイベントは人気選手がこぞって参加しているのが大きい。今年もステファン・カリーやジェイソン・テイタム、ドノバン・ミッチェルなどが出場し、下馬評通りカリーが優勝をした。ただリザーブでオールスター出場が決まったマイク・コンリーが予選と決勝それぞれで大健闘し、特に決勝ではカリーが最終ボールで逆転して優勝を決めるというドラマチックな展開だった。NBAのゲームがどんどんと3ポイント中心となっていく中で、3ポイントコンテストは今後も最も成功率の高いイベントの地位を維持するだろう。

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一方、ヒットとミスの差が激しいダンクコンテストはここ最近のと比べても物足りなさが残った。そもそも出場選手が全国的に大分無名だったのもあるし、オールスターゲームのハーフタイム中にやるということで、時間も短く3選手しか出場しなかったのも原因の1つではあるだろう。ダンクコンテストの問題としてずっと言われている事だが、3ポイントコンテストと正反対でスター選手の参加がないことが人気を下げてしまっている。(史上最高ダンカーの一人のレブロンが一度も参加しなかったのは本当に悲しい限りである) ダンクのレベルも決してレベルが全然低いというわけではなく、3人とも1つ驚くダンクを見せたが、総合的に見て、じゃあダンクコンテスト史上で記憶に残るダンクはあったかというわけではなかった。

 

つまらないダンクコンテストの話を永遠としてもしょうがないので、本題であるNBAダンクコンテスト史上最強ダンカーのTop5-Top1を発表したい。私自身の独断で決めていることはご了承頂きたいが、1984年以降全てのダンクコンテストを見てきた中で決めていることは強調したい。ランキングのTop10-Top6は下記の記事からどうぞ。

atsukobe.hatenablog.com

 

No.5 アーロン・ゴードン

優勝経験がない中で唯一ランクインとなったのがコンテスト史上最も運の悪いゴードンである。これまでに3回出場し、そのうち2016年と2020年の2回は優勝すべきでRobbed (優勝を盗まれた)と現地NBAメディアでも大きな議論となった。それぞれの年のダンクコンテストの内容がアップされたYouTube動画でDislikesボタンが凄く多くなっているのが、どれだけ視聴者が審査結果に不満を持っていたかを表している。また、2回とも決勝2ダンクで決着がつかず、延長戦までいった末での敗北ということで印象度が更に高まった。

 

解説者のケニー・スミスがゴードンはダンクコンテスト史上最もクリエイティブと評していたが、まさにその通りでゴードンは誰もが見たことないダンクを何個も繰り出している。2016年のコンテストでは、ホバーボードに乗ったマスコットを使い、マスコットを飛び越えてレッグスルーをしたり、360度をしたり、ボールを持ったマスコットを飛び越えながら足の下で持ち手を入れかえるという難易度MAXのダンクを決めた。これらすべて史上最高級のダンクであり、オリジナリティが凄い高かった。対戦相手のザック・ラビーンも素晴らしかったが、少なくとも2人も同時優勝となるべきだっと思う。

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リベンジを期した2020年もバックボードの横にボールをあてて、片手でボールを掴みながら360度を繰り出すという、これまたダンクコンテストベストの1つである技を繰り出したり、2m26センチの巨体のタコ・フォールを飛び越えたりとパフォーマンス度もまたMAXなのだが、今度はレッグスルー大魔王のデリック・ジョーンズ(今回10位に入っているが)に敗れ、結局またRobbedされてしまい、今後のダンクコンテストには参加しないと表明した。私的に2020年は確実に優勝すべきだったと思っているし、チャンピョン経験がないことでここでは5位となったが、記憶に残るという意味では他の誰にも負けていない。

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No.4 ザック・ラビーン

No.5のゴードンから2016年に優勝をかっさらった?のはザック・ラビーンである。ラビーンは2015年にも優勝しており、2連覇を果たしたわけだが、2回ともダンクの質は圧倒的であった。ラビーンはゴードン程のクリエイティビティはないかもしれないが、単純にダンクのレベルが高すぎる。彼はジョーダンのような滞空時間の長さとボディーコントロールの美しさが特徴的であり、そこからビハインドバックやレッグスルーを軽々と決めることができ、スムーズという言葉がふさわしい。

 

2015年にベースラインからのバウンス・レッグスルー、その次にバウンス・ビハインドザバックというどちらも完成度が超高い衝撃的なデビューを果たし、決勝ではちょっと手抜いたぐらいでまたまたレベル高いレッグスルー2つを違う形から決め優勝した。

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2016年もゴードンが負けたことで悪者になったが、2015年のベースラインレッグスルーをビハインドバックに変えて反転しながらのダンクや、決勝の延長戦で披露したフリースローからのレッグスルーとウィンドミルはむちゃくちゃ難易度が高く、NBA史上でも遂行できる選手はごくわずかであろう。しかも本当にほぼフリースロー地点からテイクオフしているのだがびっくりである。個人的好みでTop3は逃したが、ラビーンダンクコンテストへの功績は大きく、2016年のゴードンとの対決は史上最高のバトルとして語り継がれていくはずである。

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No.3 ドミニク・ウィルキンス

ダンクコンテストへの功績という点ではドミニク・ウィルキンスの貢献度が歴史上一番であろう。ヒューマン・ハイライトフィルムの異名をとるウィルキンスのダンクへの拘りは半端なく、スター選手でありながら、コンテストに5回に出場し、そのうち2回優勝している。ドミニクはこのランキングの中でも最強のパワーダンカーであり、必ず両足ジャンプをして、ものすごいスピードでリムまで到達する。5回も出場しているかつ昔は3ラウンドまであったので、毎回ダンクは正直結構似ているものが多いのだが、それでもそれぞれの迫力が桁違いである。彼の代名詞である片手、両手両方のウィンドミルのパワーと完成度は未だに誰にも負けていないと思う。

 

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ドミニクの登場以降、ダンクのレベルが上がっていったので、今見るとクリエイティビティの面で劣る部分はあるが、それでも彼がダンクコンテストの人気を高めたかつジョーダンよりダンクのレベルは上であることに敬意を払い第3位とした。

 

1988年のジョーダンとの決勝での対決は後世に語り継がれており、シカゴで行われたオールスターだったこともあってかジョーダンが贔屓された感がありドミニクに逆転して優勝したが、ジョーダンは予選でも見せたフリースローダンクで高得点を出しており、確実にドミニクが勝つべきだったと思っている。特に決勝1発目のバックボードからのワンハンドダンクのスローモーションでの美しさは史上トップクラスである。

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No.2 ジェイソン・リチャードソン

リチャードソンが第2となったのは完全に自分の好みであり、多くの人は彼をここまで上のランクにはしないだろう。ただ自分がまだ学生時代に見たJリッチのダンクは衝撃的で、個人的には歴代No.1ダンカーの一人なのである。彼はドミニクと同じように圧倒的なダンクのスピードと威力があるという点でドミニクの後継者と言えるかもしれない。(私が2本足ダンカーが好きなのがここでばれる、、、) 彼のウィンドミルと360はドミニク以上じゃないかとも思う時もあるし、レッグスルーや、ロブパスからも様々なダンクを決められる点でドミニクに勝っている。

 

更にクリエイティビティも非常に高く、2004年に披露したバックボードパスからのレッグスルーをコンテスト史上最初に決めたのはリチャードソンである。(この年は決勝でいいダンクを決められず、優勝を逃してしまったのだが、、、)

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個人的にコンテスト史上最高のダンクだと思っているのが2連覇をかけた2003年の決勝2本目のダンクである。チャレンジャーのデズモンド・メイソンに勝つには49点必要だった中で、ベースラインからバウンスパスをキャッチして、通常と反対にレッグスルーしながらリバースで、更に左手でダンクを決めたのである。このダンクは今でも誰にも真似されたことがなく、難易度、当時のクリエイティビティ、後が引けない状況でのクラッチ力という点で全てが10点満点のダンクである。

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何故か、コンテスト史上忘れられがちなJリッチのすごさを微力ながら今後も伝えていきたいと思う。

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No.1 ビンス・カーター

個人的に一押しのリチャードソンを破ってNo.1となったのは泣く子も黙る史上最強ダンカーのビンスである。彼は一度しかコンテストに出ていないが、そのインパクトとスターパワー、中止にすらなっていたダンクコンテストを救ったという点を考慮して一番となった。技術的にビンスの凄い所は滞空時間、スピード、パワーすべてを兼ね備えているところである。ダンクに必要な要素を全て備えた上にカリスマ性とクリエイティビティを持ち合わせているのは後にも先にも彼ぐらいかもしれない。

 

彼が出場した2000年のコンテストが最高のパフォーマンスとして20年経った今でも語り継がれているのは、この大会自体はNBAの歴史の中でも非常に重要な役割を果たしているからである。ダンクコンテスト1984年からNBAで開始し、オールスターのメインイベントの1つとなっていたが、97年にコービーが優勝した時は、各出場者によるクリエイティビティが無くなってきており、過去のコンテストと同じようなダンクが繰り返され、80年代のジョーダンやドミニクのようなスター選手の出場も少なくなっていた。それによって人気も下降線を辿り98年のオールスターではダンクコンテストがなくなるまでになった。98年にリーグに入ったビンスはルーキーから強烈なダンクを試合で見せ、2年目には既に人気選手となっていた中、2000年のオールスターではダンクコンテストが復活することが決まり、ビンスも出場することにした為、開催前から大きな話題となっていたのである。そしてファンや関係者からダンクコンテストの復活への大きな期待がかかった大会で、彼は圧倒的なパフォーマンスを披露し、観客の度肝を抜いたのである。

 

一本目の通常と反対方向に回転しながらの360度ウィンドミルは当時誰も見たことがなく、最初から観客やシャック含めたスター選手を大いにどよめかせた。また、3本目のバウンスパスからのレッグスルーもきれいすぎて、ケニー・スミスが"It's Over!!"と明言を叫んだのは有名である。そして決勝一本目はリングに腕を突っ込むという、これも誰も見たことがないダンクで、会場がどよめきというより驚いて静まり返ってしまうほどだった。最近はダンクのレベルも高くなり、単純な難易度でいえばビンスの披露したダンク以上のものはあるとは思うが、歴史的なインパクトを考えた際に、彼の歴代トップダンカーの座は不動である。

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