NBAトレードデットライン全チーム総評!<ウエスタンカンファレンス篇>
どうも。前回の記事の続きとなるが、非常に動きが激しかった今年のトレードデットラインについて、今度はウエスタンカンファレンスの15チームを見ていきたいと思う。
イースタンカンファレンスについては是非下記の記事をお読み頂きたい。
グレードの付け方は今回も、Aが最高で、A-B-C-D-Fの順番で採点する。イーストに比べたら大きな動きは少ないのでクイックに見ていく!
1. ダラス・マーベリックス:評価B+
主な獲得:JJ・レディック、ニコラ・メリー
主な流出:ジェームズ・ジョンソン、2021セカンドラウンドピック
天性のパス能力を持つルーカ・ドンチッチがいるにも関わらずチーム全体のシュート力が微妙だったマブスにとってシューターは絶対的に必要な要素となっており、希代の3ポイントシューターのレディックを獲得できたのでは大きい。もう36歳となり衰えは隠せないが、ルーカと一緒にプレーさせてたらワイドオープンな3ポイントを打てると考えるとレディックの成績も向上するだろう。また、メリーも今シーズンは絶不調だが本来シュート力のあるビックマンであり、マブスでは重宝されるはずである。
2. サンアントニオ・スパーズ:評価D
主な獲得:マーキス・クリス
主な流出:ラマーカス・オルドリッジ (バイアウト)
ウォーリアーズからクリスを獲得したスパーズだが、今シーズンはケガでシーズン終了となっており戦力にはならない。更に、今年からインアクティブになる事が多かったオルドリッジはシーズン途中からお互いトレードに合意して、獲得先を探していた。然しオルドリッジの年齢やサラリーもあり、結局相手が見つからず、バイアウトとなってしまった点は、マイナスの評価となる。
3. メンフィスグリズリーズ:評価N/A
主な獲得:なし
主な流出:なし
全くシーズン通して補強も放出もしていないのがグリズリーズ。正直今のチームではプレイオフ出れるかどうかの境目であるが、2年目の次期スーパースターであるジャ・モラントを中心に若手の成長をとりあえず見守る姿勢なのだろう。
主な獲得:ジェームズ・ジョンソン
主な流出:JJ・レディック、ニコラ・メリー
デッドライン前はロンゾ・ボールのトレードが噂されたが、スーパースターとなりつつあるザイオン・ウィリアムソンとの相性がよく、課題だったシュート力も向上していることからキープすることにしたよう。代わりにチームの構想から外れていたレディックとメリーをトレードし、今年で契約がきれるジョンソンを獲得したのは評価できる。やる気なのかコーチングなのか、チームの戦力に割になんとも煮え切らない試合が多いペリカンズだが、ザイオン中心のチーム作りを今後期待したい。
5. ヒューストン・ロケッツ:評価F
主な獲得:ケリー・オリニック、エイブリー・ブラッドリー、DJ・オーガスティン、DJ・ウィルソン、2022/2023ファーストラウンドピック
主な流出:ヴィクター・オラディポ、PJ・タッカー
ロケッツはジェームズ・ハーデンをシーズン途中でトレードしたのにも関わらず、最終的に得られたアセットが少なすぎた。。。ネッツからカリス・レヴァートを獲得できたところをオラディポを選んどきながら、いざオラディポをトレードして得られた選手がロールプレーだけというのは悲しすぎる。ドラフトピックもヒートやバックスからのものであり、決して高ポジションのピックではない。ハーデントレードの段階で、シクサーズのベン・シモンズを獲得するチャンスがあったのに将来のアセットに拘り、その上で大したリターンがなかったという最悪なケースであり、評価は最低のFとなった。
6. ユタ・ジャズ:評価B
主な獲得:マット・トーマス
主な流出:2021セカンドラウンドピック
現在リーグ全体で1位の勝率を誇るジャズは層が厚く、補強をする必要があまりなかったが、その中で改革期のラプターズから3ポイントシューターのマット・トマースを得られたのはよかったと思う。あまりプレイタイムは多くはないと思うが、既に3ポイントが非常に強いジャズのシュート力を更に高めることができるだろう。
7. ミネソタ・ティンバーウルブズ:評価N/A
主な獲得:なし
主な流出:なし
デッドライン前には、ホークスのジョン・コリンズやマジックのアーロン・ゴードン獲得に興味を持っていたと言われていたウルブズだが、最終的には全く動きを見せなかった。現在リーグ最下位の中、正直補強する意味はあまりないので、今いる若手を育成することに注力していき、また今度のドラフトで上位選手を指名できる体制を整えると見られる。
8. オクラホマシティ・サンダー:評価B+
主な獲得:トニー・ブラッドリー、オースティン・リバース、2025/2026/2027セカンドラウンドピック
主な流出:ジョージ・ヒル、トレバ・アリーザ
ドラフトピックを持ちまくるサンダーがまたもドラフトピックをゲットした。これで今後7年間で合計34個のドラフトピックを持つというまさにピック大魔王である。サンダーはまさにrebuildの段階であり、ベテラン選手のヒルとアリーザを放出することは痛くもかゆくもない。想像以上に若手が頑張り、成績がいいサンダーだが、これから後半戦は負け続けるtタンキング戦略を取っていくだろう。
Pick count for the Thunder
— Andrew Schlecht (@AndrewKSchlecht) March 26, 2021
34 solid picks, upwards of 37 picks if things fall OKC’s way with conditions
In the next 7 drafts:
18 first round picks
16 second round picks
These numbers depend on the Warriors pick. Could end up 17 and 17 if GSW pick doesnt convey.
9. デンバー・ナゲッツ:評価A
主な獲得:アーロン・ゴードン、ジャベル・マギー
主な流出:ゲリー・ハリス、RJ・ハンプトン、2025ファーストピック、2023/2027セカンドラウンドピック
ナゲッツは今回のデッドラインの勝者の一人であると言える。オフシーズンにジェレミー・グラントが抜け、オールラウンドに活躍できるPFが必要だった中で、マジックで燻っていたゴードンを獲得できたのは大きい。彼は何かにすごい秀でているわけではないが、ドライブもでき、パスもでき、ディフェンスもそれなりに上手く、オフェンスが二コラ・ヨキッチ中心に回るナゲッツでは上手く機能すると考えられる。また、マギーもヨキッチにはないリムプロテクションの要素を与えてくれる。一部将来期待されるハンプトンやドラフトピックを出す必要はあったが、MVP候補のヨキッチの全盛期を逃さない為に、バランスの取れたチームでWin-Now-Modeなことが伺える。
10. ポートランド・トレイルブレイザーズ:評価C
主な獲得:ノーマン・パウエル
主な流出:ゲリー・トレントJr、ロドニー・フッド
リラードとマコラムという強力バックコートを支えるフロントコートが手薄だったブレイザーズは、上述のゴードン獲得を目指していると報じられていたが、蓋を開けると同じガードのノーマン・パウエルを獲得した為、個人的に若干???となった。パウエルは今シーズンキャリアベストな成績を残しており、オフェンスの爆発力を持った選手ではある。なのでガード2人とうまくマッチできればオフェンスの破壊力がすごいチームとなるが、ガード3人とも193センチ以下という超スモールラインアップとなり、既にリーグ最下位近いディフェンスは更に弱体化するだろう。このトレードが吉とでるか凶とでるか正直分からない。
11. フェニックス・サンズ:評価C+
主な獲得:トリ―・クレイグ
主な流出:なし
クリス・ポールをオフシーズン獲得して一気にタイトル争いに名乗りを上げたサンズはディフェンスができるビックマンが強いバックアップセンターがいないことが弱点に見えたが、特にそこで動きはなく、ウィングディフェンダーのクレイグを獲得した。選手を誰もトレードすることなく、昨シーズンのプレイオフではナゲッツでローテーション入りしていたクレイグを獲得できたのは評価できるが、優勝を狙うにはまだ少しパンチに欠ける気がする。
12. サクラメント・キングス:評価D
主な獲得:ディロン・ライト、テレンス・デイビス、モー・ハークレス
主な流出:ネマニャ・ビエリツァ、コリー・ジョセフ、2021/2024セカンドラウンドピック
キングスはやっぱりキングスである。いい選手がいる中今年も勝率5割以下のキングスは、ベテランのハリソン・バーンズや才能を開花できていないマービン・バーグレーをトレードするかと言われていたが、彼らはキープし、あまりプラスにもマイナスにもならないトランザクションをした印象である。どうせならフロントオフィスやヘッドコーチのルーク・ウォルトンと対立し、今年成績が落ち込んでいるバディ・ヒールドのトレード相手を探すべきだったのではないかと勝手に悔やまれる。
13. ゴールデンステート・ウォーリアーズ:評価D
主な獲得:なし
主な流出:マーキス・クリス、ブラッド・ワナメーカー
ウォーリアーズはステファン・カリーの残り数年の全盛期を無駄にしてしまってもいいのだろうか?もちろんクレイ・トンプソンが今シーズン出場できないので優勝の可能性は極めて低いが、このままではプレイオフも逃してしまう可能性もある。ラグジュアリータックスを大幅に超えており動きがしづらいとは言え、折角カリーがMVP並みの好成績を残しているのに、誰も獲得に動かないのはちょっともったいないなと思ってしまう。
14. ロサンゼルス・レイカーズ:評価B
主な獲得:アンドレ・ドラモンド (バイアウト)
主な流出:なし
レブロンとデイビスの2大巨頭がケガでいないレイカーズはもしかしたらプレイオフ下位の順位になってしまうのかも言われているが、トレードは行わなかった。直前にはカイル・ラウリー獲得に動いているという動きもあったが、デイビスのトレードで既に多くのドラフトピックを渡しており、現実的なオファーはおそらくできなかったのであろう。然し、丁度デッドライン数日後にキャブスからバイアウトされたドラモンドを獲得することができたのは一定のプラスになるだろう。毎年リバウントの数が半端なく数字だけ見たらスター選手に見えるドラモンドだが、正直リバウンドと多少のパス以外強い部分はないので、過大評価されがちな選手でもある。どちらにせよ選手層が非常に薄いレイカーズにとってはいい補強だったと思う。
15. ロサンゼルス・クリッパーズ:評価B-
主な獲得:ライジャン・ロンド、2022セカンドラウンドピック
主な流出:ルー・ウィリアムズ、2022/2023/2027セカンドラウンドピック
サンダーと対照的にドラフトピックを他チームにあげまくるのがクリッパーズである。とにかく今勝ちたいという気持ちが強いのは確かで、毎年プレイオフで苦戦するウィリアムズをトレードしたのは悪くないと思うが、ドラフトピックまで出してロンドを獲得する必要はあったのかは微妙である。以前からチームのアシスト数が少ない、ボールムーブメントがない、PGが弱いと言われ続けていたクリッパーズだけに、フロアジェネラルにロンドが入ることはプラスにはなるだろう。全盛期を過ぎ、今シーズンもさっぱりな彼だが、ニックネームがプレイオフロンドだけに、代償は大きかったといえ、昨シーズン恥をかいたクリッパーズの優勝の可能性を高めてくれると若干期待したい。