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プレイオフ直前! NBA プレイイン・トーナメントは必要か

どうも。NBAもレギュラーシーズンが終わりを迎え、とうとうプレイオフ直前となった。コロナが終息しない中でバブルではなく、遠征をしながら各チームのホームコートで (ラプターズだけはずっとアウェイだったが、、、) 72試合のレギュラーシーズンを進めるという事で不安が一杯ではあったが、何とかここまで来た。シーズン序盤はコロナ感染した選手も多くおり何試合も延期になったが、オールスター後ぐらいからはアメリカでワクチン接種が進んだこともあってか、試合開始数時間前に延長が決まるみたいなこともなくなっていった。

 

また、コロナで選手のスケジュール等も色々と支障があったこともあってか、今年は飛びぬけて優れたチームがいない気がする。正直イーストもウエストもどこが勝ち抜いてきても大して驚かない。そういったこともあってか、シーズン最終日になっても多くのシード順が決まってない状態であり、見ている方としては誰がどのマッチアップになるのだと毎日順位をチェックするのが楽しかった。トップシードにジャズとサンズが来るのか最後まで分かず、加えてナゲッツクリッパーズが必死に順位下げようとしたり、ネッツとバックス、ニックス・ホークス・ヒートも最後に順位がひっくり返る可能性があったというこれだけの混戦は非常に稀である。

 

今シーズンを更に面白くしているのが、今年から本格的に行われるプレイイン・トーナメントである。昨年も試験的に実行され、9位のブレイザーズ対8位のグリズリーズで大いに盛り上がったが、今年からはより複雑になったのでおさらいすると下記になる。

 

(1) 両カンファレンスで、7位と8位のチームが1試合戦う。勝者が第7シードとなり、敗者は(3)のステージにいく

 

(2) 両カンファレンスで、9位10位のチームが1試合戦う。勝者が(3)のステージに行き、敗者はそのまま敗退。

 

(3) (1)の敗者と(2)の勝者が第8シードをかけて1試合戦い、勝者がプレイオフ進出

 

ということで、一発勝負で運命が決まってしまうことを考えると、第7シードになってもプレイオフに進出できない可能性が大いにあるのである。つまり第7シードになるのと、第6シードになるには雲泥の差が出てくる。

 

更に今シーズンプレイインが成功するのが確定していたのが、ウエストではシーズン最終戦までこの7位に入るチームが決まっていなかったということである。しかもここに昨年チャンピオンでレブロンを擁するレイカーズが7位になったということでNBAとしては一大事である。そんでもって、8位がカリー擁するウォーリアーズになり、レブロン vs. カリーがプレイインで見られるという超ビッグマッチアップな訳で、NBAファイナルを超える視聴率が取れるかもしれない。

 

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レブロン vs. カリーというファイネルの再マッチアップは大注目

これだけ見るとプレイイン・トーナメントがあった方が確実に盛り上がるじゃないかと思うのだが、反対派の意見も結構あり、特に何人かのプレイヤーからはレギュラーシーズンをずっとやってきたのに、一発勝負で決めるのはどうなんだという声が出てきている。一時的に7位になったマーベリックスのドンチッチやオーナーのマーク・キューバーンが不満を言ったと思ったら、レイカーズも第7シードになった途端NBAの重鎮のレブロンがプレインインを考えた人は解雇されるべきだと強烈な発言をしたりしていた。(シード順位が高かった時は普通にプレイインを支持していたのに。。いつも通りのレブロンのメディア操作ではあるが)

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やはり選手からするとこれまでとやり方が変わることに抵抗感があるようで、72試合戦った勝率で決めろと言いたいのだろうが、そういうことを考えたらそもそもプレイオフをやること自体もリーグ勝率をそのまま反映するわけではないので、あくまで言い訳にはなってしまうのかもしれない。また、7位以下のチームにとっては、試合数も増えるので負担がかかることも理解はできる。

 

然し、選手にとっては大人気ではないかもしれないが、ファンとリーグの視点からするとプレイン・トーナメントはメリットが多く、例えばこんなことが挙げられる。

 

1. 単純に真剣勝負する試合の数が増える

通常レギュラーシーズンの最後の5~10試合程度は大体順位が決まってきて、かなり気の抜けたプレーばかりになるのだが、プレイオフに出れるチャンスが10位まで増えると、単純にプレイオフに出ようとするチームが増えてくる。実際今年はイーストからは11チーム、ウエストからはキングスやペリカンズ含めた12チームがプレイオフ進出の可能性があり、リーグの75%が競争心を持って戦うことはNBAの盛り上がりという点でプラスなはずである。

 

2. 下位チームのタンキングが減る

1に絡んでの話となるが、上記のようにプレイオフ進出の可能性がなくなったチームがどうするかというとタンキングである。タンキングとは故意に弱いロスターを揃えて負け続けることで、ドラフトロータリーで高い順位をゲットすることである。やり方としては、あからさまに試合中に負けるようなプレーをするわけでなく、チームのベストプレイヤーやベテラン選手をプレーさせずに、スター選手なくミスの多い若手だけ揃えて実力不足から負けることを誘発するというものである。

 

NBAのドラフトで、勝率が低いチームほど高いピックを得られやすいということを逆手に取った手法だが、ここ10年ぐらいこのタンキングがかなりの頻度でされる。然し、プレイオフに行けるチームの数が増えたらそれだけ頑張ろうとするチームが増えてタンキングチームが減ることが考えられる。今シーズンもサンダーやマジックのようにタンキングをしまくったチームもいるが、昨年と比べたらその数は減った気がする。見てもらってなんぼのNBAなだけに、各試合のクオリティ担保が大事なのである。

 

3. 不調だったチームの逆転が考えられる

NBAのレギュラーシーズンは長い。その中で特にシーズン序盤や途中にケガや何かしらの事情で調子が上がらないチームがある。一方シーズン序盤は好調だったけど、途中から失速するチームもある。毎年のようにこの2パターンが見られ、後者が最後のプレイオフスポットまで生き残ることはよくある事だが、既にモメンタムを失っているのでプレイオフでも抗戦できずに敗れてしまう。それがシーズン後半に調子を上げてきたチームが代わりに出れたら、プレイインだけでなく、実際のプレイオフを面白くしてくれるかもしれないのである。例えば、今年はウィザーズがコロナやウエストブルックの不調で最初さっぱりだったが、ここにきて一気に調子を上げており、オフェンスの爆破力で番狂わせまでいかなくてもいい試合をする可能性もありえる。

 

4. マネーマネーマネー

NBAはエンターテイメントであり、あくまでプライベートビジネスである。つまり結局必要なのはお金である。昨年のバブルプレイオフもしかり、今年も通常より2か月近い短期間での72試合のレギュラーシーズンは、プレイヤーのコンディショニングも考えてかなり批判を受けたが、試合を実施しない限りはお金が入ってこないのである。そしてプレイオフになるにつれてチケット代も高くなるし、視聴率も上がるのでできるだけ多くの試合をしたいのがNBAの本音である。そこで、プレイイン・トーナメントをすることで、普通のレギュラーシーズンの試合より注目度は高くなるので、お金も入りやすくなるのである。

 

通常82試合のレギュラーシーズンを72試合に短縮している今シーズンは特にこのプレイインをすることがお金の観点からも必要だったわけである。NBAのお金が増えれば増えるほど選手の年俸にも影響してくるわけで、色々不満はあるだろうが来期以降通常スケジュールになったとしてもこのプレイインは残っていくだろう。

 

ということで、今回はプレイインは必要かというNBAのビジネスの観点からの話となったが、プレイイン、プレイオフのマッチアップが決まったという事でこれからの2か月が楽しみでしかない。マッチアップ別分析は次回以降また記事にしていきたい。