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大混戦のイースタンカンファレンスを制するのはどこだ!

どうも。久しぶりの投稿となりましたが、今シーズンも残り10数試合とあっという間にプレイオフが迫ってきた。そんな中、今年はイースト、ウエストともにシーズン通して各チームのシード順が混戦となっている。ウエストではサンズが頭一つ抜けているが、グリズリーズとウォーリアーズは熾烈な2位争いをしているし、ジャズとマーベリックスも最近好調で4位争いもヒートアップしている。地味にティンバーウルブズとナゲッツもそんな差がついていないし、階層が分かれているものの、各階層での争いが最後まで見逃せなさそうである。

 

更にすごいのがイーストである。3月15日現在で、1位から7位が6.5ゲーム差内、特に2位から6位は3.5ゲーム差と大混戦であり、1位のヒートもじゃあイースト本命なのかと言われれば疑わしく、どこがイーストファイナルに行くか全く読めない状態である。どのチームも実力はあるが、圧倒的な強さを誇っていない感じである。そんでもって、第8シードがネッツということで、レギュラーシーズン1位か2位で終わっても、プレイオフでデゥラントとカイリーを相手にしなけければならず、ファーストラウンドで負けるという悪夢なようなシナリオも全然考えられるわけで上位チームも気が抜けない。

 

そこで今回はイーストのトップ8チームのプレイオフへの期待と懸念点をざくっと見ていきたい。(ホークスファンと、ホーネッツファンはごめんなさい。プレイオフ行けたらラッキーかと。。。)

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1. マイアミ・ヒート

各チームともコロナやケガを言い訳に出来るチームが多い中、ヒートもケガ人続出でまともにロスターが揃ったためしがないにも関わらず、最も安定した成績を残してきている。何よりロスターの層の厚さとリーグトップクラスのディフェンスで弱点が少ないのがヒートの特徴である。

 

Defensive Player of the Year候補の一人であるバム・アデバヨを筆頭にジミー・バトラー、カイル・ラウリー、PJ・タッカーというリーグ屈指のフィジカルなディフェンス布陣はプレイオフで猛威をふるだろが、オフェンスの爆発力が懸念ではある。バトラーはスコアラーファーストの選手では正直なく、一昨年ファイナルで大活躍したが、昨年のプレイオフではさっぱりだった。バムもGo to scorerでもなく、ラウリーは年である。更に一昨年シューターとして開花したダンカン・ロビンソンは今年スランプでスポットを奪われている。となるとベンチからのタイラー・ヒロに期待だが、ディフェンスのアテンションが高まった状況でどこまで3年目の彼を頼りにできるかは未知数である。

 

その為、総合力は高いが、パンチ力に欠け、真のスーパースターがいないヒートが勝ち抜ける確率は低いと考える。ファーストラウンド敗退しても驚きはしない。

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2. フィラデルフィアシクサーズ

ハーデンの獲得とシモンズの放出で一気に優勝候補に躍り出たシクサーズは、最も注目されているチームであろう。ハーデンは、ネッツ在籍時の最後はケガのふりをしていたのに、トレード直後からいきなりプレースピードが上がり、エンビードとのコンビネーションも悪くなさそうで、かなりファンの期待値が高まった。

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然し、、、因縁のネッツとのマッチアップで、デゥラントやカイリーがキラーメンタリティで倒しにきたところ、ハーデンは興味がないというか怖がっているかのようなプレーで、3分の17という散々なスタッツを残したのである。これをただのレギュラーシーズンの1試合で片づけられるものでは、く、いざこざがあったチーム同士の決戦という位置づけだったにも関わらず、ハーデンは全くインスパイアされていなかった。これこそが問題で、彼のプレイオフでの数々の惨事はよく知られたことで、最も重要な試合な時に限ってスターの存在価値を出してこない。成績だけ見たらそこまで悪くないと思う人もいるかもだが、実際の試合、モメンタムなどを考えたときに、ハーデンがビッグモーメントでクラッチだったことがあるだろうか。少なくとも、ロケッツ移籍以降この10年はない。

 

エンビードは今年MVP候補トップ3の活躍をしているが、彼も彼で実はプレイオフの大舞台でクラッチじゃないことも多く、毎年苦渋をなめている。更に、ハーデンと同じくフリースロー中心にオフェンスが組み立てるので、よりフィジカルなプレイオフでお互い本領発揮しないことがありそうなのも懸念である。

 

その他、ディフェンスの弱さ、オフェンスの層の薄さなど諸々心配点があるが、何よりハーデンとエンビードを信頼しきれない個人的な感情もあり、カンファレンスセミファイナルあたりで敗退すると予想する。

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3. ミルウォーキー・バックス

昨年チャンピョンのバックスはとにかく安定感がないのが気になる。オフェンスはリーグトップクラスの効率性ではあるが、持ち味だったディフェンスがリーグ平均レベルまで落ちてしまい、いい時と悪い時の差が激しい。イヤニスは今年も更にレベルアップをして、オフェンス、ディフェンスともにリーグトップ選手の存在感を発揮しているが、まわりがそれについてきていない。

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センターのブルック・ロペスの怪我は確かに痛いが、彼がいないだけでディフェンスが崩壊するのはイヤニス以外の選手の頑張りが足りないと言わざるおえない。更にオフェンス面でも、No.2のミドルトンがここ2年と比べて衰えた印象があるし (スタッツはあんまり変わらないが内容が良くない)、ホリデーも当たり外れが多い。ケガ人はもちろん多いのだが、ベンチが微妙な上に、スターターもレベルダウンしているようでは2連覇の夢は絶たれてしまうだろう。

 

バックスのプレイオフはミドルトンの活躍に掛かっており、かなり不安要素も多いが、イヤニスは最近4Qもオフェンスで頼りにできるようになってきたし、逆境で彼ががそう簡単に諦めるわけはないので、なんだかんだカンファレンスファイナルに進出するのではないかと思う。

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4.シカゴ・ブルズ

レギュラーシーズンのサプライズチームの1つがブルズである。誰もが予想しなかったMVP候補にもなっているデマー・デローザンと、ザック・ラビーンのダイナミックオフェンスと、ロンゾ・ボール、アレックス・クルーソという強固なディフェンスバックコートで、シーズン前半はイースト1位までになったブルズはここにきて少し苦戦している。他のチームと比べても特にケガとコロナに泣かされ、特にバックコート2人の離脱はかなり痛手となっている。

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それでも何とかデローザンの神がかり的なスコアリングランなどもあり、イースト上位をキープしてきたが、シーズンを通して強豪チーム相手の弱さを露呈してきている。イースト、ウエストのトップチーム相手に今シーズン1回も勝ったことがないという悲しいスタッツも出ている。格下相手に確実に勝つことも大事ではあるが、プレイオフではそんなことは言っておられず、オフェンスのパターンが読みやすいブルズはかなり苦しむだろう。

 

デローザン自身決してプレイオフに強いタイプではなく、ラプターズ時代は何度もたたかれたし、ラビーンはそもそも初プレイオフとなることを考えると、ファーストラウンドで負けても驚きはしない。

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5.ボストン・セルティックス

シーズン序盤はスロースタートで失望チームの1つだったセルティックスは、オールスター前後で絶好調となり、一気にホームコートゲットできる位置まで上がってきた。その最大の武器がリーグトップのディフェンスであり、スターター全員が平均以上のディフェンダーであることで相手チームを抑えられているのが大きい。

 

加えて、エースのジェイソン・テイタムが一段階実力が上がり、得点力はリーグトップクラスとなっただけでなく、課題だったチームメイトのセットアップも上達してきている。これまで、テイタムとジェイレン・ブラウンの1on1ばかりで、ボールムーブメントが乏しかったのだが、ここにきてよりチームオフェンスが確立されてきている。

 

チームの爆発力がないうえ、テイタム以外に安定したスコアラーがいないのは懸念だが、ディフェンスが物を言うプレイオフでアップセットを起こすことは十分あり得そうである。レギュラーシーズンの勢いをそのまま維持できれば、セミファイナルあたりまでいけるのではないか。

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6.クリーブランド・キャバリアーズ

ブルズ以上に今年のサプライズチームはキャブスであろう。シーズン前はプレイントーナメントに出るか出れないかの線だと予想されていたのに、蓋を開けてみたら一時リーグ2位の勝率を残すなど大躍進をした。コリン・セクストンがシーズン序盤で離脱し、その後もリッキー・ルビオやロンドがケガしてしまうなどロスターが揃わなかったにも関わらず、センターのジャレット・アレンがオールスターに成長したり、ガードのダリアス・ガーランドはスター選手へと駆け上がっている。ガーランドは入団当初ただのスコアリングガードの印象があったが、想像以上にオフェンスのセットアップが得意であり、シューティング力、ドライブ力、パス力と総合力が優れた選手になりそうである。

 

更にルーキーのエバン・モーブリーは将来Defensive Player of the YearかつMVPになれる潜在能力を秘めており、キャブスの将来は非常に明るい。とはいえ、主力が全員経験不足であり、層が厚い今年のプレイオフではファーストラウンド敗退が予想される。

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7.トロント・ラプターズ

ラプターズもまた将来的に楽しみなチームではある。3年前の優勝から、チームを改革し昨年はプレイオフも逃したが、今年は地味に頑張っている。パスカル・シアッカムは昨年から今年序盤のスランプを脱して、2年前の水準に戻ってきているし、今年オールスターになったフレッド・バンブリートも大黒柱として頑張っている。また、ルーキーのスコッティ―・バーンズはその多彩性で将来のスコッティ―・ピッペンのような存在になることも考えられる。

 

とはいっても、ラプターズが強くなるのは後2年ぐらい必要そうであり、選手層も激薄な為、プレイオフでは期待できない。

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8.ブルックリン・ネッツ

今年の最大のダークホースは言うまでもなくネッツである。何故なら今年開幕時に優勝候補筆頭だったチームが現在第8位にいるのだから、他チームからしたら、たまったもんじゃない。カイリーのワクチン拒否、デゥラントの怪我、ハーデンのトレード要求で落ち着きゼロのシーズンであったが、デゥラントがケガから復帰したこと、ニューヨークのワクチンルールに変更がありそうということでかなり風向きが変わってきている。

 

もしカイリーがホームゲームで毎試合プレイオフ出れるようになれば、ベン・シモンズが戦力になろうがならまいがネッツは非常に危険な存在になる。セス・カリー、ミルズといった頼りになるシューターがいて、尚且つデゥラントという最も恐るべきオフェンス兵器がいる限り、ネッツは常に優勝候補の1つであり、アップセットを繰り返えしてカンファレンスファイナルに進出することは全然あり得ると思う。そこにシモンズが入れば、少なくともディフェンス面では貢献できるので、現在のネッツの弱点を補う貢献をすることはできるだろう。

 

特に先日のシクサーズ戦で見せた爆発力は彼らがプレイオフでどんな存在となるかを暗示しているかのようだった。とにかく、デゥラントが健康である以上は、ネッツをカウントアウトすることは私にはできない。

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