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The Last Dance - マイケルジョーダンのインフォマーシャル??

こんばんは。

少し時間が経ちましたが、マイケルジョーダンと98年のシカゴブルズシーズンにフォーカスしたドキュメンタリーThe Last Danceについて少し触れたいと思います。前提としては、バスケのGOAT (Greatest of All Time)であるマイケルジョーダンが最後にシカゴブルズでプレーした1998年に、NBAのオフィシャルクルーがブルズや練習の風景を1年間続けて撮影したテープが山ほど溜まっていたが、その後20年以上一度もリリースされていなかった。今回それがついに解禁!となり、更にそれ以前のシーズンやチームメイトとも結びつけて全部で10エピソードを流すというもの。アメリカで2エピソードずつESPNで放送されて合計5週間にかけて一大イベントとなっていた。

 

感想として、まず単純に面白かった!マイケルジョーダンの過去の話とかは高校の時とかにDVDボックスを買って見まくっていたので大体知っていたが、ジョーダンの現役時代の練習の時の様子とかはあまり見たことなく、彼がどれだけチームメイトにきつくあたるリーダーだったかというのがなんとなく見えた。また有名になりすぎたが為にどこにもいくことができない大変さや、それによって一番の仲良しはセキュリティーガードというのも面白かった。そしてそのセキュリティーガード達のキャラの濃さ!

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おっさん髪ふさふさ

後はなにより、Curse Wordを満遍なく使ったジョーダンのインタビューが聞けたこともこれまでにない一面を見れた気がする。昔見ていたビデオとかでは本音を隠しながら話していたところはあったが、今回はルースに基本的には?正直に話しているように思えた。とりあえずしょっちゅう汚い言葉を使っていたなーといのうは印象深い (笑)

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笑い飛ばしているけど、ゲイリーペイトンは結構ディフェンス頑張っていたんじゃない??

でもまあこれがバイアスがない事実に忠実なドキュメンタリーかといったらそんなことはない!なんてったて、プロデューサーのうち2人はジョーダンのメディア会社の側近。そもそもこれを放送するにはジョーダンの承認がいるわけで、ジョーダンにとってポジティブな描かれ方がするようになっているのは当然。第一話が放映される前にジョーダンは「これを見たらみんな自分のことを嫌いになるかもしれない」とか言っていたが、これはただのマーケティング手法であって、本当にジョーダンのことを嫌いになるようなことは排除されているだろう。

 

例えば、、、彼の元妻が一切でてこなかったり、(ジョーダンはよく浮気していたという話)、子供についても最後にほんのちょこっと登場したぐらいだった。常にバスケに取りつかれていたかつ、夜はギャンブル含めてよく遊んでいたからおそらく家族と過ごす時間も少なかったのではないかと想像できる。余談だが、ジョーダンは毎日2−3時間ぐらいしか寝ていなかったという噂。。。それこそまさにスーパーヒューマンである。いつもいっぱい酒を飲んでタバコを吸いまくった上で、超ハードに練習して、試合もほぼ欠場なく出ているというのは本当に信じられない。そんなパワーが欲しかったもんだと心の底から思う。

話を戻すと、ジョーダンが本当に嫌なやつみたいに言っている人は登場してこなかったし、チームを優勝に導くリーダーという視点からそうするしかなかったと描かれていた。実際のところはどうだったのかなーと疑っている。(おそらく自分のチームにいたら多分嫌いになっていたんじゃないかと勝手に想像)

後はホーレスグレントとのbeef。「ジョーダンルール」のリーク先としてジョーダンはグラントを疑っているが、グラントは自分はそんなこと一切いってないと主張して今でもバトっている様子。今回のドキュメンタリーでもグラントの出演時間は非常に短かったなという印象。最初の3ピートにおいて、グラントはとっても重要な役割をしており、後半の3ピートではデニスロッドマンが欠かせない存在だったという見せ方だったが、グラントの全体的な貢献度の方が大きかったと思う。(そもそもロッドマンはブルズに入った時点で35歳前後で身体能力的には衰えていたし、リバウンドに固執しすぎる傾向があったのではと思う。もちろんものすごい選手であることには変わらないけど)

 

と、批判的に書いてしまったが、真のドキュメンタリーでなく、ジョーダンのインフォマーシャルと思って見れば十分満足できる内容。スポーツが何も見れない状況でこれが放送されたのはまさに運命の巡り合わせな気もする。視聴率もスポーツドキュメンタリーとしては過去最高のこと。更にここ最近レブロンが歴代一番の選手であると主張している人が増えてきていたが、これによりレブロン信者を黙らせる効果も十分にあり、ジョーダンにとってはまさに最高のタイミングであったのではないか。(まさか狙っていたのか!!) 自分のメディア舞台を要するレブロンがどんな手でこの流れを変えるか要注目である。ジョーダンが96年に出た映画のSpace Jamをレブロンでリブートすることを決まっており、それを観る子供たちはレブロンが一番ってなるんじゃないかなーと勝手に想像。今後もこのGOAT Discussionは見逃せない。。。

 

最後の最後に、ジョーダンの最初の引退までの全盛期の動きは改めて見てまさにアートである。本当に同じ人間とは思えない。彼の中でも有名な試合のハイライトをどうぞ!

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