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NBAプレイオフ開幕! (第1ラウンドプレビュー:イースト)

どうも。オーランドのバブルでの1チーム8試合のレギュラーシーズンが幕を閉じた。最後の数試合はウエストの第8シードをめぐる戦いを繰り広げたチーム以外は、名前も聞いたことないようなベンチプレイヤーばかりの出場となったが、総じてクオリティの高いプレイが見られ、NBAファンとしても満足する内容であったのではないか。そして何より、未だに彼らが使用しているディズニーランドの敷地からコロナの感染者が1人も出ていないというからすごい。もちろんファイナルが終わるまで安心はできないが、このバブルは今後のモデルケースとして参考になるべきであろう。現在レギュラーシーズンを観客無しの状態で、各都市でやっているMLBでも、プレイオフは一箇所のバブルでやるべきかという議論が起こり始めている。(昔から選手のことなど全然気にしない金の亡者であるNFLはそんなことはしないだろうが)

 

本題のNBAシーズンに戻って、ブレイザーズグリズリーズの白熱した試合もブレイザーズの僅差の勝利で終わり、バブルMVPに輝いたデイミアン・リラードだけでなく、クラッチではC.J・マコラムも3連続でシュートを決め、勝利を呼び寄せた。リラードについては丁度前回の記事で書いたのでご覧頂きたい。

atsukobe.hatenablog.com

これでブレイザーズがウエストの第8シードとなり、全てのシードが決まったということで、第1ラウンドの各マッチアップのプレビューと予測をしようと思う。接戦が予測されるものから、全く盛り上がりにかけるマッチアップもあるが、まずはイーストから1つずつ見ていこう。

 

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1. ミルウォーキー・バックス (第1シード) vs. オーランド・マジック (第8シード)

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正直言って、このマッチアップは全然面白みがない。なぜならマジックが4勝するシナリオが全く見えないからである。NBAでは第8シードがアップセットを起こすことがそもそもほぼないが、まずバックスのイヤニスを止められるディフェンダーがマジックにはいない。今年ディフェンダーとして大きな飛躍をしたジョナサン・アイザックは残念ながらバブルの試合でアキレス腱断裂をして離脱してしまった。となるとアーロン・ゴードンとかに頼ざるえないが、パワーとスキルでイヤニスに完全に負ける。オフェンスについては、センターのニコラ・ブーチェビッチが一番の稼ぎ頭だが、バックスのセンターのブルック・ロペスとロビン・ロペスの兄弟コンビは共に素晴らしいディフェンダーであり、ブーチェビッチを押さえ込むことができる。ベンチからの起爆剤のテレンス・ロスも個人的事情により一旦チームを離れており、マジックのオフェンスの爆発力がどうしてもかける。オフェンス、ディフェンス両面でバックスが圧倒すると予想。

予想:バックスが4-0で勝利

 

2. トロント・ラプターズ (第2シード) vs. ブルックリン・ネッツ (第7シード)

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バックス対ネッツと同様に第2シードかつディフェンディングチャンピョンのラプターズはネッツに対して大きなアドバンテージがあると見る。昨年ファイナルMVPのレナードがいない中、ラプターズの総合力とディフェンスの鉄壁さは健在である。ペイントではマーク・ガソール、サージ・イバカといった過去のトップディフェンダーがいて、パスカル・シアカッム、OG・アヌノビとウィングディフェンダーも強力かつ、カイル・ラウリー、フレッド・ヴァンブリートというガード陣も素晴らしいディフェンスを見せる。(特にラウリーの張り付くような相手をイラつかせるディフェンスは見物) オフェンスにおいては大スコアラーはいないが、セットアップのユニークさ、ベンチ含めて自分でオフェンスを作り出せる選手がたくさんいるのが大きな強みである。ネッツはカイリー・アービングとケヴィン・デュラントのスーパースターがいない中、ジャレッド・アレンやジョー・ハリスといった若手のクオリティプレイヤーが存在し、キャリス・レヴァートは持ち前のミッドレンジショットやドライブ力を生かしてスコアラーとしてバブルで大活躍している。総合力が弱めの中、常に全力でプレーするのもネッツの魅力である。が、強固なディフェンスを誇るラプターズ相手には苦戦を強いられるだろうし、ネッツがラプターズのオフェンスを止める力もないかつ、ラプターズもネッツ以上に全力でプレーしてくるので、1試合勝ち取るのが限界でないかと思う。

予想:ラプターズが4-1で勝利

 

3. ボストン・セルティックス (第3シード) vs. フィラデルフィア・セブンティシクサーズ (第6シード)

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もし、シクサーズのベン・シモンズが怪我をしなかったら、なんとも面白いマッチアップとなっていただろうにと嘆かれるシリーズである。シモンズとジョエル・エンビードのコンビは、シモンズがジャンプショットを打てないこともあり常にミスマッチといわれ続けており、シモンズがいないことでよりオフェンスがスムーズになるという意見もあるが、個人個人として素晴らしい選手達であることに変わらない。特に今年リーグトップクラスとなったシモンズのプレミターでのディフェンスは、ボストンが抱える、ジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウン、ゴードン・ヘイワードといったウィングプレイヤーにブレーキをかけるのに大きな効果があったはずだ。シモンズ以外にも、ルーキーのマティス・サイブルもいるが、今年のオールスターのジェイソン・テ-タムを押さえ込むことはできないだろう。対して、ペイントの巨人エンビードはボストン相手に大きなアドバンテージもある。セルティックスのセンターであるダニエル・タイスは良いディフェンダーだが、いかんせんサイズが10センチ足りないし、ベンチでも有力なディフェンシブビックマンはいない。なのでエンビードが活躍するチャンスは大いにあるが、問題はエンビードが毎試合本気で臨まない傾向があり、更にシクサーズにノックダンシューターや、クラッチ場面で確実に点を取ってくれる選手が見られない。(トバイス・ハリスでは全然物足りない) ディフェンスにおいても、セルティックスのバランスの取れたスコアラー陣が全員不振に陥るとは考えづらく、ボストンが問題なく勝ち抜くと思う。

予想:セルティックスが4-1で勝利

 

4. マイアミ・ヒート (第4シード) vs. インディアナ・ペイサーズ (第5シード)

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あまり番狂わせが期待できないイーストの第1ラウンドの中で、一番接線になる可能性が高いのがヒート対ペイサーズのマッチアップである。レギュラーシーズンで既にジミー・バトラーとTJ・ウォーレンが2回口論になっており、1回は退場処分にもなっているというところからも注目のカードではある。(ウォーレンにキスをするバトラーは面白すぎる)

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以前の記事でも記載したが、ペイサーズが躍進できるかどうか、元エースのビクター・オラディポにかかっていると思う。

NBA再開: 有力チーム注目キープレイヤー (イースト) - ディープなNBA/アメリカ文化トーク

インサイドの安定した得点力とパス能力を持ったPFのドマンタス・サボニスが怪我の為出場できず、センターのマイルズ・ターナーはアウトサイドショットでしか貢献できない。TJ・ウォーレンがバブルで大活躍をしているが、彼以外でオフェンスでステップアップできる選手がいなければ、ヒートの強力なディフェンスを切り崩すことは難しい。バブルの試合になってからも、平均15得点前後と物足りない感が否めないが、プレイオフという大舞台でプレーの質を上げられるかがカギとなりそうである。追加でマルコム・ブログドンやアーロン・ホリデーといったPGもクリエイターの素質はあるので、活躍を期待したいところである。一方、マイアミの方はバランスの取れたオフェンスとリーグトップの3ポイントの確立で攻める。ダンカン・ロビンソン、タイラー・ヒーローといった新鋭スナイパーや、ベンチからゴラン・ドラギッチが出てきてスパークとなる。そして勝負所になったら、ジミー・バトラーがオフェンスを作り出す。特に今年は彼は自由自在にフリースローをゲットできるようになっており、この相手からファウルを誘うスキルはクラッチ時には欠かせない。更にバム・アデバヨを中心としたディフェンスも素晴らしく、ペイサーズの爆発力が欠けるオフェンスを押さえ込むことができるはずで、総合力でヒートが上回る。

予想:ヒートが4-2で勝利

 

次回の記事ではウエストの4つのマッチアップを予想!